忍者ブログ
Admin / Write / Res
主人公総受け至上主義サイトです。特にエ/ヴ/ァの・碇・シ・ン・ジ・の女体化verが贔屓されてます。EOE後女体化したシンジが他世界へ渡る設定のクロス作品がメインです。(で、他作品キャラに物凄く愛されてます。)
<< 03   2024/04   1  2  3  4  5  6  7  8  9  10  11  12  13  14  15  16  17  18  19  20  21  22  23  24  25  26  27  28  29  30     05 >>
[28]  [27]  [26]  [25]  [24]  [23]  [22]  [21]  [20]  [18]  [1
×

[PR]上記の広告は3ヶ月以上新規記事投稿のないブログに表示されています。新しい記事を書く事で広告が消えます。


これは運命32話でキラがステラとシンを拾った場合の分岐話です。
やはりプラント勢力及び地球軍・ブルコスには全く優しくありません。
それを承知の方のみご覧ください。





炎上するベルリンの都市を背景に激突する三機のMS。
ネオが搭乗するウィンダムが討たれたショックで完全に恐慌に陥って暴走するステラ。凶悪な火力で周囲を破壊するデストロイを止めようとするフリーダム。デストロイにステラが搭乗していることを知ったシンは、ただ彼女を護ろうとしてインパルスを駆る。


激しい戦闘の末、とうとうフリーダムがデストロイを討つ。破壊されたコックピットから投げ出される華奢な少女とその光景に叫ぶシン。力なく横たわる彼女に駆け寄って抱き上げるも、段々と体温を失ってゆく。必死に縋りつくシンに微笑みながら「好き」と告げて目を閉じるステラと、泣きながら少女を抱きしめるシン。シンは護りたかった少女を目の前で死なせてしまった悲しみにうちのめされ、激しい慟哭を響かせる---




「その子が、大切だった?」




そこへ、静かな声がかかる。涙を流しながら振り返ると、見覚えのある青年がパイロットスーツを纏って立っている。その美しいアメシストの瞳と清廉な雰囲気は、そう、いつかオーブの慰霊碑で会った---まさか。




「アンタが!!ステラを!!」




青年の--キラの--正体に気付いたシンは激昂して憎しみにぎらつく瞳でキラを睨みつける。少女を抱きしめていなければ即座に飛び掛っただろう。そんなシンに構うことなく、変わらずに静かな声で同じ問いを発するキラ。<




「その子が大切かい?」


「当たり前だ!!俺が彼女を護るって、--死なせないって約束したのに!!
 ------アンタがっ、アンタ達が!!」
 



吼える様に答えるシン。
それまで全くの無表情だったキラが、その答えに満足そうに笑う。そして場違いな程に朗らかな声で言葉を続ける。




「なら、一緒に来るかい?・・・・・・・彼女は、死んでないよ。」


「な----なに、を」




続けられた内容に混乱したように呆けるシンに微笑みかけて続ける。




「彼女は、まだ生きてる。
 ・・・・・・僕達なら、彼女を助けることができる。その、身体もね。」


「本当か?!」


「こんな嘘は吐かないよ。・・・・・さあ、どうする?」




穏やかに問いかけるキラの真意を図るように、睨みつけるような強い視線で見詰めていたシンが決意を秘めた固い表情で口を開く。




「・・決まってる。俺は、彼女を護ると約束したんだ。
 その為なら、何だってしてやるさ。」




「じゃあ、行こう。---ようこそ、AAへ。シン・アスカ君?」

 

 


 

そして-------

 



 

 

「平和ね~」
 

AAの食堂でのんびりとお茶をのむマリュー。戦闘の無い日の日課となったお茶会の最中である。今日のお茶請けは色鮮やかなねりきりと胡桃たっぷりの黒糖カステラ。そして爽やかな香りを放つ緑茶。甘さとカロリーを控えめに仕上げられたそれらのメニューは最近AA内の女性陣に大人気の品である。



「ええ、そうですわね」



優雅に茶器を傾けながら相槌を打つラクス。彼女の前にも同じものが並んでいる。その表情は女神もかくやといわんばかりの慈愛に満ちた微笑を浮かべ、声は春風よりも軽やかに響く。本当に機嫌が良さそうだ。彼女達は楽しげににすでに恒例行事となった小さな騒動を眺めていた。




 

「~~!!キラはステラとおやつ食べるの!!」


「キラさんは俺とシミュレーションに行くんだよ!!
 ステラは朝も昼も一緒に食べたじゃないか!!」


「シンだって昨日ずっと一緒にいて、ステラと遊んでくれなかったもん!!」


「昨日はその代わりに夜一緒に寝てたじゃないか!!」


「キラいいっていったもん!!」


「~~~~!!!」




困ったように笑うキラ。その腕に抱きついて甘えるステラと、反対の腕を掴んで放さないシン。まるで子犬と子猫がじゃれ合うような微笑ましい光景である。


ステラを助けられるというキラの言葉に縋るようにAAに来たシンと、死んでいるようにしか見えない状態のステラ。キラは二人を連れてAAに帰還すると、すぐに事前に準備してあった治療装置にステラを運び入れ治療を開始。実はエクステンデットの情報をハッキングで知ったキラはオーブの技術者と協力して彼らの治療をするための装置と薬を開発。ネオ・ロアノークに取引を持ちかけた。最初は疑って警戒していたネオも、エクステンデッドとしてしか生きられないステラ達を出来れば生き延びさせたいと思っていたためキラとの取引に応じ、キラから渡された身体機能があるレベルまで低下すると仮死状態になる薬を事前に飲ませて出撃させたのだ。そしてシンとの戦闘を経て今に至る、というわけである。もちろん同じエクステンデッドであるスティングとアウルもきちんと回収され現在治療中である。今はステラと同時に討たれたネオと仲良く三人で医務室の住人となっている

 
 

最初は二人とも警戒して中々打解けられなかったが、本気で気遣ってくれるキラを初めとしたAAメンバーの態度に段々と心を開いていった。そして完治して元気になったステラと、ぎこちないながらも馴染み始めたシンはAAメンバーと少しずつ交流するうちに、彼らの目的や戦う理由をしった。さらに本物のラクス・クラインと対面し、彼女の暗殺未遂とミーア・キャンベルのことを知った。それらの事実を前にしてZAFTとデュランダルへ疑惑を感じたシンはAAと共に行動することを決意したのである。
 

一端決めてしまえばどこまでも真直ぐなシンは、すぐにキラやラクス達と向き合った。元々根が素直なシンは、最初の警戒心丸出しだった態度が嘘のようにあっという間にキラに懐いたのだ。そしてきちんと一人の人間として優しく接してくれるキラやラクスの姿に親鳥を慕う雛のように懐いたステラと争奪戦を繰り広げるのがAAの日常風景となったのである。
 

エクステンッデットとしての不安定な身体も完治して、揺り籠が無くても生きられるようになったステラと、オーブへのこだわりを完全に捨て切れないながらも憎しみだけに支配されることの無くなったシン。そんな二人の姿は戦いの中でも悲しみだけではないのだという証のようでキラにとっても嬉しいものなのだ。


そしてその二人に挟まれたキラが、幼い弟妹を見るような優しい瞳で微笑んで仲裁するのも最早お決まりの展開となっていた。


 

「はい、ストップ。二人とも落ち着いて。」


「「~~~~だってっ!!キラ(さん)!!シンが(ステラが)!!」」




口論を止めたキラに声を揃えて主張する二人。その可愛らしい姿に笑みを深めて穏やかに返すキラ。



「わかったから。じゃあ、まずはシンとシミュレーションに行こう。ステラも一緒に行こう?
 その後三人で一緒にお茶を飲もうか。どうせシミュレーションのあとはお腹が空くからね。
 ・・・・それじゃ、だめかな?」


「うんうん!!一緒にお茶!!ステラ行く!!」


「別に構いませんよ。付き合ってくれるなら。」



二人の希望を両方取り入れて妥協案をだすキラ。その言葉に嬉しそうにじゃれ付くステラと頬を染めて照れながら返事するシン。何処から見ても可愛らしい兄妹達の姿である。
 

賑やかに笑いながら歩いていく三人の姿にその場に居合わせた者たちは頬を緩めて彼らを見送る。お茶を飲みながら眺めていたマリューとラクスも変わらず優しい笑みで見送った。


再び剣を持つ事を選んでから、いつも痛みを隠したような翳った瞳で微笑んでいたキラが、自然に浮かべた幸せそうな笑顔と穏やかな言葉に何よりも安堵する。その度に、そんなキラと彼の幸せを守ろうと思うのだ。いつだって己の痛みよりも周りのことを気遣って、血まみれになっても歩き続けるような彼だから。彼のその優しさに救われてきたからこそ、今の自分があるのだと知っているから、尚の事強く強く願う。



「こんな日が当たり前に続けばいいわね。」


「ええ、本当に。・・・・続かせて見せますわ。その為に此処に居るのですもの」


「そうね。頑張りましょうね。皆で帰るために」




穏やかに呟かれたマリューの言葉に力強い光を湛えて返すラクス。そんなラクスに鮮やかな笑みで応えるマリュー。その短いやり取りは、いつでも護られるよりも護ることを選ぶ強くて美しい女性達の、束の間の平穏の中で誓われた小さくて絶対の決意だった。

 














 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

拍手[3回]

PR
この記事にコメントする
Name
Title
Color
Mail
URL
Comment
Password   Vodafone絵文字 i-mode絵文字 Ezweb絵文字
secret(管理人のみ表示)
この記事へのトラックバック
この記事にトラックバックする:
カレンダー
03 2024/04 05
S M T W T F S
1 2 3 4 5 6
7 8 9 10 11 12 13
14 15 16 17 18 19 20
21 22 23 24 25 26 27
28 29 30
プロフィール
HN:
性別:
女性
自己紹介:
ここは女体化シンジ(碇レンorシオン)溺愛サイトです。クロス・逆行・分岐に関わらず、レンorシオンが贔屓・溺愛されてます。(クロス作品では他作品のキャラと恋愛有(むしろメイン))
書きたい物を書ける時に好きに書き散らしてます。文頭には注意書きをつける積りですので、好きじゃない、と思われた方はこのHPを存在ごとお忘れになってください。(批判とかは本当勘弁してください。図太い割には打たれ弱いので素で泣きます)



二次創作サイト様に限りリンクはフリーです。ご自由にどうぞ。








このサイトを少しでも気に入ってくださったらぽちっと押してくださると嬉しいです。
また、何か御用が御座いましたらメール代わりにご利用ください。返信は雑記でいたします


現在の拍手お礼:一ページのみ(ティアに厳しい。ちょっと賢く敵には冷酷にもなれるルークが、ティアの襲撃事件について抗議してみた場合:inチーグルの森入り口)
カウンター
フリーエリア
最新トラックバック
バーコード
ブログ内検索
P R
アクセス解析
Copyright ©  鶴群の一鶏 All Rights Reserved.
*Material by Pearl Box  * Template by tsukika
忍者ブログ [PR]