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主人公総受け至上主義サイトです。特にエ/ヴ/ァの・碇・シ・ン・ジ・の女体化verが贔屓されてます。EOE後女体化したシンジが他世界へ渡る設定のクロス作品がメインです。(で、他作品キャラに物凄く愛されてます。)
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*マルクト・ダアト・キムラスカに丸ごと厳し目

保護対象はルークのみ(贔屓が入るのは毎度のメンバーですが、今回はイオンにも厳しいです)




「-----何、とは?幾ら力の発現が暗示の所為でも、のこのことヴァンについてリングに近づいたのはルークの責任でしょう。そもそも超振動を使えばどうなるかなんて考えれば直ぐに分かることだ。ヴァンにどう言いくるめられたのか知りませんが---」

「----知らない、だと?お前の報告では、そこに居るルークが、ヴァンに唆されてリングを壊したとあったな。では、お前は何をどう判断してルークが唆されたと考えたんだ。ヴァンが何を言ったのか知らないなら、何を根拠にそう報告した!!」

「ですから、救援に参加もせずヴァンに言われるままリングの所まで行ったのが良い証拠でしょう。ああ、魔海で、超振動で瘴気を中和とか言ってましたか。そんな言葉を信じるなんて、どうかしている。」


激昂するピオニーの言葉に呆れた様子も隠さず答えるジェイド。だが、謁見の間に詰めている軍人も文官も一様に信じ難い表情でジェイドを注視した。

・・・・この男は、あれほどの災害の原因を、そんな穴だらけの状況証拠のみで結論付けたのだ。ジェイドの報告が正しかったとしても明らかに主犯の一人と目されるヴァンが、報告どおりなら騙されたにしろ崩落を実行したというルークに、どのような指示を与えたのかすら確認していないとは!!しかもその根拠が、親善大使であり王族であるルークが、救援の手伝いをせずリングまでヴァンについていったからだと?どんなこじ付けだ。実際は裏で何を画策していようと、表向きキムラスカからの先遣隊を任されていたダアトの主席総長に、救援の責任者であった親善大使が話を聞きに行って何がおかしいというのか。口頭だけでは報告しきれないから現場を見てくれとでも言われたらついていくに決まっている。崩落が起きるまで誰一人、ジェイドすらヴァンのことを疑いもしていなかった筈だろう。しかもルークはヴァンに七年もの間剣の指導を受けた師弟関係にあったという。ヴァンを信じない要素など傍から見れば何一つ無かったのだ。

そもそも人の上に立ち指揮する立場の王族に、直接看護や避難を手伝わせようという考え自体が信じられない。今はレプリカと判明しようともルークは王族だ。他国の人間であろうとも、王族の上に位置するのは国王のみである。絶対服従しろとまでは言えないが、本来たかが軍人の佐官如きが、まさかルークに命令して指示を与える側の立場だとでも考えていたのだろうか。・・・・・考えていたのだろう。今までの言動全てがそう物語っている。マルクト国軍に属するその場の全ての人間が、羞恥と怒りで思わず首を掻き切りたくなった。こんな男と同僚だなんて、これ以上の屈辱はない。


そんな周囲の葛藤を他所に幼馴染でもある主従の問答は続く。



「ルークが少しでもわれわれにヴァンのことを相談していれば起きなかった事故だ。責任はルークにあるでしょう。」


「お前は---!


「・・・へぇ?それを貴方が言うんですか、ジェイド・カーティス大佐。」



更に声を荒げかけたピオニーの言葉にかぶさる様に絶対零度の声が響いた。とりあえずはピオニーの様子を見ようと黙っていたキラである。嘲笑はますます冴え渡り、その美貌が凄みを増した。誰が見ても、今のキラの感情を読み取ることは容易い。----- これ以上無いくらい、激怒している。



「おかしなことを言いますね、カーティス大佐。貴方がルーク様の言葉に耳を傾けたこと等、只の一度も無かったというのに。それこそ----ルーク様が誘拐されてマルクトに飛ばされてから、アクゼリュスにたどり着くまで、只の、一度も。」



さらに知らされた事実に静まり返る一同。何を言って良いのか分からない。

・・・誘拐されてマルクトに、とはどういうことだ?!


「貴方は、そこに居るティア・グランツが、ファブレ公爵家に譜歌を用いて襲撃を行い、正式に招待されていた客人であるヴァンを襲撃した際に間に入ったルーク様と擬似超振動を起こしてマルクトまで飛ばされた事を知りながら、ルーク様を不法侵入者として拘束されたくないならば、和平に協力しろと脅迫しましたね。その際王族であるルーク様に向かって頭を下げることを安っぽいプライドと言い切って敬称もなしにルーク様を呼び、タルタロスが襲撃された時には剣を持っているのだから前衛を務めろと言い、人を殺すことを躊躇したルーク様をあからさまに嘲弄した。ルーク様が七年分の記憶しか持たず、公爵家以外の世間を知らないからと馬鹿な子供だと言いきったそうですね?・・・・それをルーク様が親善大使に任命された後も改めず、道中何から何まで事後承諾でしか報告せずルーク様の疑問には侮蔑の言葉しか返さなかった貴方が、・・・・どの面下げて相談しろといえるんです?ふざけるのも大概にしろ、このえせ軍人が。」


ノンブレスだ。立て板に水とばかりにつらつらとまくし立てられた内容を、理解したくなくても理解してしまった一同は既に顔面蒼白である。ピオニーすら顔色をなくしている。今の話が本当なら(本当なのだろう、信じたくないことに!)たとえルークが只の一市民であろうとジェイドの行動は一から十まで全てが違法行為だ。いや刑法で裁けないものであっても、人間として、曲がりなりにも十年単位で軍人をしている大人としてしてはならない物ばかりだ。

・・・・何故誘拐された被害者を不法侵入で連行する。軍人が王族に頭を下げるのが安っぽいプライドとはどういう意味だ。タルタロスの襲撃とは何のことだ。軍人でありながら訓練も受けていない年下の少年に守られなければ戦闘できない?和平の名代を任されながら相手国の王族を嘲弄?親善大使に事後報告とはどういうことだ?!

言葉にならない悲鳴が満ちる中、金切り声をあげたのはダアトの女軍人二人だ。



「キラ!貴方大佐に何てこと言うのよ!大体私は誘拐なんてして無いわ!言いがかりはよして!」

「そぉだよぉ。ティアはちゃんとシュザンヌ様に謝ってんでしょ?今更蒸し返すなんてホント最低ぇ~」


キャンキャンと吼える二人にも等しく冷酷な視線を向ける。そして続けた。



「何を、って何さ?全部事実じゃないか。大体どこの世界に他所様の家に押し入って刃物振り回した人間が謝罪のみで許される法律が存在するの?しかも、場所はファブレ公爵家---キムラスカの王位継承権を所有する方々が三人もいらっしゃるお屋敷だ。そんな場所で、正式に招待された客人に向けてナイフ振り上げておいて襲撃じゃないって?譜歌を使って警備してた騎士を眠らせておいて?冗談でしょう。擬似超振動が起きたのだってティアがファブレ家でヴァンを狙ったからじゃないか。ルーク様の意思を無視して不本意に連れ出したんだ。故意かどうかなんて関係ないよ。しかも君、木刀しかもっていらっしゃらなかったルーク様に、剣を持っているから後衛専門の自分を守って魔物を倒せといったらしいね。・・・・武器だなんて呼べない木刀しか持たない訓練を受けたことも無い人間を、魔物の前に押し出したんだ。これは立派な殺人未遂だ。不敬罪や侮辱罪なんて生ぬるい---王族ニ対シ危害ヲ加ヘ又ハ加ヘントシタル者ハ死刑ニ処ス---大逆罪が適応されてしかるべき犯罪者じゃないか。どこらへんが言いがかりなのか教えてほしいのはこっちだよ。」


わざとらしく肩を竦める。その仕草に顔を真っ赤にしたティアが言い募ろうとするが、それを遮ったのは激しい金属音だ。先程までキラに槍を突きつけていた衛兵が、ティアを拘束したのである。襲撃に譜歌を用いた、という言葉から素早く猿轡と譜術防止用の拘束具までつけられている。その行動に驚いているのは同行者達のみだ。慌てたガイとイオンが声を上げた。


「ちょ、ちょっと待ってくれよ!ティアがルークを殺そうとしたなんて、そんな誤解だ!彼女は後衛専門なら守られて当然だろう!」

「まってください!彼女が犯罪を犯したというのならダアトで査問にかけますから!!」



うんざりとした表情を隠しもせずキラが二人を見据える。



「本気でいい加減にしてくれないかな。ガイ、君は本来ルーク様の護衛だろう。なんでルーク様の身の安全を脅かした人間を庇うんだ。イオン様、貴方もです。犯罪者なら?私は何回も奏上させていただきました。彼女はルーク様に危害しか加えていません。これは本来その場で首を落とされても文句の言えない行動です。今彼女が生かされているのは執行猶予を与えられているからに過ぎません。加害者を庇うのはおやめください。と----何を聞いてらしたんですか。」

「イオン様に失礼なことを言わないでよ!」



言葉に詰まるが険しい顔を崩さないガイには興味も失ったとばかりにイオンに告げた。キラの視線に身を竦ませたイオンを心配したルークが身を乗り出しかけるがそれは許さず睨みすえる。その視線からイオンを庇うように前に出たアニスには目線も向けずにはき捨てた。



「失礼って言葉を知っていたなんて驚きだよアニス・タトリン。君が今まで一度でもルーク様に礼を払ったことがあったかい?まともに仕事をこなしたことも無いくせに良くそんな大口を叩けるね。導師を守る事が唯一絶対の職務である導師守護役が、なんでルーク様に媚を売るのさ。なんで導師を見失うのさ?いつルーク様が君に呼び捨てる許可を出したの。馬鹿坊ちゃんって何語だよ。わがままってどっちがさ。しかも君、バチカルで出発準備をしていたルーク様に、朝起きたら誘拐されてた導師をついででいいから探してください、だって?へぇ、導師守護役って不寝番もせずのうのうと惰眠を貪っても許されるような緩いしごとなんだ?アクゼリュスの救援を国王陛下から命じられた親善大使様に、寄り道を強要できる立場なわけだ?誘拐された導師を見つけるのが、ついで、の仕事なんだ?たいした恥知らずだね。・・・・ねぇ、モースの子飼い。タルタロス襲撃の手引きをしたスパイ。裏切り者の犯罪者。」

「な!・・・・何のことよ!!」



とっさを返事を返せたのは上出来だが顔色を失くして声音が震えていては意味が無い。誰が見てもキラの言葉が真実であったとわかる。ティアを拘束していた衛兵がアニスにも殺到する。


「アニス!!・・・な、なあ、キラ、これはちょっとやりすぎじゃ・・」

「ルーク様」


今まで唯一自分の味方で有り続けてくれているキラのすることだからと、できるだけ口を挟まないようにしていたルークが、とうとう青ざめた顔でおずおずと制止する。だが、その言葉にもキラは肯かない。



「・・・ルーク様。貴方がお優しいことは存じておりますが、是ばかりは承諾いたしかねます。彼女達の行動はどこをどうとっても犯罪です。いままで何の罰も与えられなったほうがおかしいのです。たとえどれ程減刑されようと許されることは有り得ません。・・・どうかご理解ください。」


真摯に語るキラを見てじっと見据えて考え込むルーク。その表情はつらそうに顰められるが、ゆるゆると口を開いた。



「わかった。・・・・本当は、俺がティアやアニスに言うべきだったんだな。ごめんな」

「いいえ、これは貴方をお守りする役目を仰せつかった私の職務です。お気になさる必要はございません。」


二人のやり取りをみていたイオンは、力なく肩を落とした。

・・・彼女達を守りたいなら、自分が最初に諌めるべきだったのだと、今更思い知ったからだ。


だが未だに理解しないのがガイとジェイドだ。もはや絶望の溜息しか零せないピオニーすら認識せずにキラに矛先を向ける。



「・・・・やれやれ、本当に美しい主従愛ですねぇ?ですが、正直そこのお坊ちゃんの為に彼女達を落としいれようとするやり方はどうかと思いますけど?」

「キラ!お前いい加減にしろよ!見損なったぞ。早く彼女達の誤解をとくんだ!」



とうとう顔を覆って天を仰ぐピオニー。玉座の傍に控えているフリングス将軍や宰相であるゼーゼマンの憎悪の表情にも全く気づかない。そちらを一瞥したキラは、是が最後とばかりに語調を強めた。



「本気で言ってるの、それ。どこをどう聞いたら誤解だと思えるの?何をどう陥れたと?ティアのやったこともアニスのやったことも全部本当のことだよ。」


「そのアニスのスパイ行為とやらですが証拠は?・・冤罪じゃないといえる証拠はなんです。」

「・・・・それは俺も聞きたいな。(・・まずタルタロス襲撃の報告を知りたいが、・・・今更だなこれは。ジェイドを、甘やかしすぎた・・・いや、妄信しすぎたツケが、これか・・・・)」


ピオニーが疲れ果てた表情で、声だけは力強くキラに質した。ルークとイオンも気になるのかじっと待っている。



「証拠はこれです。・・・・・アニス・タトリン、ローレライ教団所属、階級は曹長。現在は導師イオンの守護役についている。任じられたのは2年前・・・・大詠士モースの推薦による。」

「それのどこが証拠だと・・」

「アニスタトリンの母パメラ父オリバーは、大した額の借金をしています。何でも根が善良で困った人々を見過ごせないとか。・・・・そのおかげで詐欺に合うこと数十回。本人は気づいていないようですが。・・・その借金が綺麗に清算されました。・・・・モースの善意、とやらで、ね。」

「「「「「・・・・・・」」」」」


「で、タルタロスの襲撃は、モースに命じられた六神将の仕業でしたね。・・・・へぇ、隠密に動いていたはずのタルタロスのルートを、ピンポイントで狙えた理由は・・・・分かりませんか?」

「そ、それだけじゃあ、証拠とは・・・!」


キラが読み上げる書類を凝視して反論しようとするガイ。その目の前にもう一枚の紙を突きつける。



「・・・この筆跡に見覚えは?」



それはしわしわによれた手紙。内容はイオンの行動と移動予定のルート。まさしくルークたちが通った道程が事細かに記されている。



「これは、ケゼドニアの宿に一泊したときに飛ばされた鳩から回収したものです。飛ばしたのは勿論アニス。・・で、怪しいから詳しく調べてみたら、出てきたのが、この事実、と。・・・まさか、こんなあからさまな事実を前にタルタロスは関係ないとか言いますか?確証は無くても疑惑を抱くには十分でしょう。取調べはマルクトの方々にしていただくとしても、このまま放免は・・・できませんよね?」



にこり、と晴れやかな笑みを見せられて誰一人口を開けない。周囲からの猜疑の視線がアニスに集中するだけである。動くのも億劫そうに手を振ったピオニーの合図で、衛兵がアニスとティアを連行して行った。ガイは愕然、イオンは悄然と項垂れ、ジェイドは無言で眼鏡を直す。ルークの手に力が篭るのを感じてそっと手を握ると、少しだけ震えた手が強く握り返された。











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ここは女体化シンジ(碇レンorシオン)溺愛サイトです。クロス・逆行・分岐に関わらず、レンorシオンが贔屓・溺愛されてます。(クロス作品では他作品のキャラと恋愛有(むしろメイン))
書きたい物を書ける時に好きに書き散らしてます。文頭には注意書きをつける積りですので、好きじゃない、と思われた方はこのHPを存在ごとお忘れになってください。(批判とかは本当勘弁してください。図太い割には打たれ弱いので素で泣きます)



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