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主人公総受け至上主義サイトです。特にエ/ヴ/ァの・碇・シ・ン・ジ・の女体化verが贔屓されてます。EOE後女体化したシンジが他世界へ渡る設定のクロス作品がメインです。(で、他作品キャラに物凄く愛されてます。)
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*マルクト・ダアト・キムラスカに丸ごと厳し目です。
(イオン様にも厳しいです)



「さて、では話を戻して宜しいですね?
 皇帝陛下。・・・アクゼリュス崩落について、陛下のお考えをお聞かせください。」


「おい、キラ!!・・・確かにティアとアニスはもう仕方が無いかもしれない!
 けど、だからルークの所為でアクゼリュスの人たちが死んだ事実は変わらないじゃないか!だったらルークにも罪を償わせるべきじゃないのか?!」


何故そこまで、頑なにルークを罪人に仕立て上げたがるのだろうかこの男は。
ガイが喚くさまを見て心底呆れた眼差しを凍らせるキラ。その傍らに庇われたルークは泣きそうに顔を俯かせる。

正直、今更ガイを親友だとは思えなかった。屋敷に軟禁されていたときも朗らかな笑みの下に時々冷たい視線を潜ませていたガイ。それでも数少ない年の近い気安い会話のできる友人だと思っていた。他の人間は皆等しく以前のルークを求める者ばかりで、肩の力を抜けるのは母とキラと、ガイの傍だけだったのだ。親善大使に任命された後知り合ったキラの兄弟や仲間も、今ではキラと同じくらい大好きだが、それでもガイのことも嫌いじゃなかった。ガイが、赤子同然だったルークを育ててくれた事実には変わらない。当時まだ少年だったガイが、身体は10歳の子供で赤ん坊と同じだったルークを育てるなんて生半可な労力では無かったはずだ。その思いが全部嘘だったとは思わない。・・・けれど、ガイは、ルークが初めて外に出て旅をすることになった数ヶ月間、一度もルークの心を優先してはくれなかった。別に一番でなくても良かったのだ。だけど、ほんの少しでよかった。少しだけでもいいから、魔物といえど命を奪うのは嫌だと、人を殺すのは怖いと、いつ敵が出るか分からない場所をずぅっと歩き続けるのは辛いのだと、そう思ってしまったルークに、少しでいいから優しい言葉を掛けてくれるだけでよかったのに。

・・・・少しでも口に出した弱音は全てわがままな子供の愚痴だといって聞き流した。自分を見てほしくて言ってみた要望は全部傲慢な貴族の子供の癇癪だと切り捨てた。ルークのやることなすこと否定して見下すティアやアニスやジェイドの言葉は全部受け入れるのに、ルークの言葉は全部投げ捨てたのだ。

そして、アクゼリュスだ。

ガイは、ルークがヴァンの甘い言葉に唆されてアクゼリュスを壊したのだと信じている。アクゼリュスの人たちをルークが殺してしまったのだと思っている。キラがいくら、ルークの意思でしたことではないと繰り返しても信じない。そのくせ、今まで散々自分達を殺そうとしていた鮮血のアッシュ---ルークの被験者---の言葉を鵜呑みにして、アクゼリュス崩落は、ヴァンの言葉に騙されたルークがやったのだと言ったのだ。

キラ達が町の人たちを保護してくれたことは知っている。だから死者は出ていない。そもそも止めるキラを説き伏せてヴァンの元へと向かったのは自分の意思だ。行動が怪しいからヴァンの真意を調べるというキラに、だったら話を聞く役目を譲ってほしいと言い張った。・・・その結果、ヴァンの本性を目の当たりにしてしまったが、あの時キラはちゃんと自分を守ってくれたのだ。暗示のことは知らなかったために超振動を暴走させてしまったが、その責任はルークのものだ。死者が居なくても町を丸ごと滅ぼした罪は消えない。だから、何らかの罰を受けるのは当然だ。

各国の意向を探るために直ぐには避難民の事を報告はしないといっていたから、虐殺の罪に問われても仕方ないと覚悟していた。ヴァンが何をたくらんでいるのか知ることや、国がそれについてどう動くのか見定めることは絶対に必要なことなのだ。だったら自分も協力したいと、自分の意思で決めたのだ。キラはルークを守れなかった自分こそが崩落の責任を取るつもりであることは分かっている。だがそこまで甘えるつもりは無かった。協力を申し出た以上、行動の過程で発生した負担は其々が担うべきだ。崩落の犯人の一人として、マルクトの人達に憎まれてもそれは自分の役目だと思っていた。だからピオニー陛下たちに罪人として扱われるのはかまわなかったのだ。・・・けれど。



「なあ、ガイ。・・・ガイは、さ、俺のことなんか何一つ信じて無いんだな。」


「何を言うんだ、ルーク。」

「だってさ、ガイは・・・俺が何を言っても仕方ないって苦笑して、ただ我侭言うなって切り捨てるのに。・・ティアやアニスやジェイドが言うことは全部正しいって信じるじゃないか。今まで俺を殺そうとしてたアッシュの事も。・・なあ、何でだよ?何でアッシュの言うことを信じるのに、俺が言うことは信じてくれないんだ?」

「・・だって、お前、アクゼリュスで、俺が悪いんじゃないなんて・・・」

「・・・ガイは、あの時あそこに居なかったのに、アッシュやジェイド達だってあそこに居なかったのに、そこに居なかったアッシュが言ったから、俺がアクゼリュスを崩落させたって信じたんだよな。俺がヴァン師匠に懐いてたから、師匠が言ったなら何も考えずに超振動を使って大地を支えるリングを壊すようなこともするって考えたんだよな。・・・俺が騙されてたんだって言いながら、師匠を信じた俺が全部悪いって言ったんだよな。・・・・俺が、アクゼリュスの人達を、俺の意思で殺したんだって言うんだよな?」


段々と俯くルークの足元に水滴が落ちる。朱金の髪に隠された顔は痛みを堪えるように顰められる。キラに、教えられた一つの秘密が、ルークの心を傷つける。・・その事実があっても、ガイがルークの友人であるという事実は変わらないと信じていたかったのだ。けど、もう無理だ。キラが握ってくれている手の感触だけを支えに震える声を絞り出した。



「・・それってさ、ガイは、ずぅっと俺がそういう人間だって思ってたって事だろ?
・・俺が、なぁんにも考えずに、ただ人に言われたからってパッセージリングを壊したりして、その癖自分は悪くないって言って言い逃れするような、本気であんな惨状を引き起こしても自分は悪くないって思い込むような、最低な人間だって。

・・・そんなの、どこが親友だよ?!友達だなんてうそじゃねーか!!ガイは、俺のことなんて、何にも見てなんかいなかったんだ!!ガイのいってたことなんて、全部嘘ばっかりだ!!」


叫んでから本格的に泣き出したルークを背中に隠して、キラが決定的な言葉を告げる。もしもガイが少しでもルークのことを慮って、せめてティアやアニスの事を黙って受け入れるなら秘密のままにしておこうとした事実を。


「気が済んだ?---- ガイラルディア・ガラン・ガルディオス
 ・・・・ホド戦争で滅ぼされたガルディオスの遺児。ファブレを憎む復讐者。

満足だろう?ルーク様を傷つけることができて。だけど、それ以上は許さないよ。」


「なに、をいって、・・はは、冗談きついぜキラ。俺がそんなお貴族様のわけ・・」

「これが証拠だ。君がファブレに雇われる前の足取りと、君の従者であるペールの前身。あれ程著名な騎士が、顔も変えずにのこのこと出歩いて誰にも正体がばれないと本気で信じてたのかい?ギルドは情報が命だ。実力者の動向なんて真っ先に確認しておくべきものだろう。調べれば直ぐにわかった。・・・で、反論は?」

「知って、たのか。ははは、手のひらの上だったって、?・・・ふざけるな!!」


ガッシャン

キラが再び突きつけた数枚の書類に視線を走らせたガイが絶望的なうめき声を上げた。空虚な笑いを響かせると一転、激昂して剣を抜こうとする。それを素早く衛兵が取り押さえる。謁見のまで武器を抜こうとするなど、それこそ大逆罪で首を落とされて仕方ない。ピオニーの視線も冷酷なものになる。只でさえアクゼリュス崩落からこっち次々明かされる問題の数々に食傷気味だというのに、これほどの大問題が残っていたなんて。


「もういい、そいつも連れて行け。・・・あーもう嫌だ。
 ・・・・・それで、キラ、といったか。お前の質問に答えよう。」




その声にキラとルークが居住まいを正す。泣き腫れた赤い目が痛々しいがそんな憐憫は押し隠してピオニーがルークとキラを真っ直ぐ見据えた。その姿に今まで呆然としていた周囲のものも姿勢を直して皇帝に注目した。未だに不満そうなジェイドには最早誰一人視線すら向けない。



「アクゼリュス崩落の事実についてのわが国の軍人の報告に多大な虚偽があったことを認めよう。
 ルーク・フォン・ファブレ殿にはお詫び申し上げる。・・・すまなかった。」


言って頭を下げる。それにうろたえたのはルークだ。覚悟の上とはいえ辛くなかったといえば嘘になる。けれどまさか皇帝自らに謝罪されるとは思わずに動揺がそのまま声にでた。



「へ、陛下!そんな頭を上げてください!俺、いえ、私の力が原因でアクゼリュスを崩落させたのは事実なのですから、そんな、えっと、」



ルークの言葉に静かに顔を上げたピオニ-が表情を改めて告げた。


「---この度の不始末は必ず清算させていただく。それで宜しいだろうか。」

「は、はい!」



戸惑いつつも力強い声に押されて返事するルーク。キラは再び静かに控えている。そんなキラに意識を向けつつピオニーを見つめルーク。だが、ほんの少し穏やかさを取り戻した雰囲気を一人の発言がぶち壊した。




「----いい加減、話を進めませんか。今はそんなことよりセントビナーの事でしょう。全く無駄な時間を、」

「ジェイド。」


どこから来るのか知らないが、未だに自信満々な態度を変えないジェイドに座りきった眼差しを向けたピオニーが言葉を遮った。


「お前、いい加減にしろよ。何時まで自分のしたことをしらばくれるつもりだ。まさか無罪放免されるなんて思ってるんじゃないだろうな。お前は軍位剥奪。軍法会議まで自宅謹慎だ。外部との連絡は一切許さん。----連れて行け!」



命に従って衛兵がジェイドを拘束する。その力が先程の三名よりも強くなるのは当然だろう。同じ国の軍人として、誰よりも真っ先に捕らえたかったのはこの軍人の面汚しである。やっと許可が下りたと思いながら厳重に拘束する。


「なぜです!ピオニー!」

「何故、だと?お前本気でわかって無いのか?お前のしたことは最初から最後までどれもこれも問題だらけだ!お前みたいな常識知らずに名代なんて任せた自分の馬鹿さ加減に首でもくくりたい気分だよ!!差し迫った問題が無いなら今すぐ結論を出してもいいんだぞ!!---- 行け!!」


乱暴に振られた手にしたがってジェイドを引きずる衛兵達。そしてやっと謁見の間に静寂が戻る。ピオニーの大きく息をつくと話を進めようと向き直った。


「あー失礼した。話を進めても宜しいだろうか。
 キラ殿も顔を上げてくれ、発言も許す。」

「はっ。」



キラがピオニーを真っ直ぐ見据える。その菫色の瞳の苛烈さに些か気圧されつつも、キラへの謝罪の言葉を告げる。


「キラ殿にも、改めてお詫びする。申し訳なかった。加えて有用な情報を提供してくれたことへは感謝している。」

「---いいえ、では、マルクトは、ルーク様の無実を認めて下さる、という解釈で宜しいんですね?」


「ああ、勿論だ。どう考えても主犯も実行犯もヴァン・グランツだろう。ならばその罪はヴァンに求めるべきだ、だが、そうだな・・・・申し訳ないが、導師イオン。」


悄然としたまま事態の推移を見守っていたイオンに、ピオニーが声をかける。その場の殆どの人間が半ば忘れかけていた小さな影が大げさなほど肩を揺らして返事をする。それを心配そうに見るルーク。



「ダアトの者が起こした事態が齎す問題は、一つ一つの影響が大きすぎる。失礼ではあるが、この度依頼した仲介は白紙に戻させていただく。即刻教団にお戻りになるようお願い申し上げる。」

「それは・・・」

「今判明しているだけでも、ティア・グランツのキムラスカ王族への大逆・・まあこれを裁くのはキムラスカであるからおいておくとして、アニス・タトリンへの疑惑、六神将によるタルタロス襲撃、ヴァングランツのアクゼリュス崩落。どれをとってもわが国としては見過ごせないものばかりだ。・・・・教団にお戻りになって対処していただくが宜しかろう。・・・・導師を丁重にお送りしろ。此方から招待した客人だ。粗相があってはならない。・・・では、一時とはいえわが国の国策に協力していただいたことには感謝する。」


「そんな!、あの!」


慌てて口を開くイオンを、丁重だが有無を言わさずに連れ出す衛兵。反射的に駆け寄ろうとしたルークはさりげなくキラが止めた。一瞬睨みつけてくるが直ぐに感情を抑える。納得できなくても、理解はしているのだろう。イオンへの言葉を口にすることは無く、これからどうするのかを視線で問いかける。そんなルークに笑顔を返してからピオニーへと視線をむけたキラ。



「・・・・・(これならば、ぎりぎり及第、か。)・・・ピオニー陛下。
 実はまだ秘されたままの事実を一部訂正させていただきたい。」


「なんだ?」

「・・・アクゼリュスの住民は、生きています。」

「な!」

「何故、秘密にしていたかはこれからご説明いたします。

・・・陛下は、”プラント”をご存知でしょうか。」







+++++++++++++





と、とりあえずここまで。

このネタでは、前編で述べたラクス様率いる預言撤廃運動を目的とした組織があるんですが、その組織所有の創世暦時代の遺産を流用した巨大コロニーが魔界に存在します。それをさしてプラントというんですが、同時にプラントに住んでる=運動参加者認識で組織をプラントとよんでる事もあります。で、こっからキラが、秘預言を暴露、星自体に迫っている危機、預言撤廃運動について諸々説明して、マルクトはどうするのか聞いていくと。

小話とか言いながらこの一場面だけですごい長くなってしまって、そこまで書いてると連載になってしまうので無理やり切りました。

まあ、設定でこういう流れもありました~ってかんじですね。












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