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主人公総受け至上主義サイトです。特にエ/ヴ/ァの・碇・シ・ン・ジ・の女体化verが贔屓されてます。EOE後女体化したシンジが他世界へ渡る設定のクロス作品がメインです。(で、他作品キャラに物凄く愛されてます。)
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これは以前書いていたメイン連載のエヴァンゲリオン逆行連載です。
逆行女体化シンジのお話でした。

なかなか続きが書き出せないうちに時間だけが空きまして、もう最後まで書ききる自信がなくなってしまったので封印してたんですが、実は思い入れが一番強いものなので、ちょっと載せてみようかな~と思って蔵出ししました・・・・


現行強シンジ×逆行女体化シンジです。
スパシンです。

*ネルフメンバー・ゼーレには優しくないです。チルドレンにも一部優しくない時があります。最終的には子供達は和解させる予定でしたが。

 












 



 

 


 

 

「8月14日金曜日 本日は素晴らしい快晴の一日となるでしょう。 
 ただし、昼頃から所により戦闘機が降る可能性があるので、外出の際には頭上に注意する必要があります。
 命の惜しい方はお出かけにならない方が良いでしょう。・・・・・・って所か?  」
 

「シンジ・・・・・」



人一人居ない駅前で、呆れた様な口調で吐き捨てる黒髪の少年。
その少年に気遣わしげに話しかける黒髪の少女。



「来い ゲンドウ」と書かれたメモ用紙以下の手紙と、「私が行くまで待っててねv 追伸:胸の谷間に注目!!」と書かれたふざけた写真を嫌そうに横目で確認し、待ち合わせ場所二駅手前のリニア改札前で目の前の戦場を観察する少年と傍らに寄り添う少女。 碇シンジと赤月シオンである。



二年前の襲撃事件後、シオンに保護されたシンジは、それ以来シオンと共に伯父の家を出て世界中を転々とする生活を送っていた。シオンに教えられた「人類補完計画」を妨害する為の活動と、計画の遂行者であるネルフとゼーレを潰すための準備の為である。

同時に、妨害工作のカモフラージュと、シンジの実戦修行を兼ねて、万屋・・・要するに表裏関わらずの何でも屋・・・を営んできた。要人護衛や情報収集・運び屋その他。依頼の内容と報酬に折り合いがつけばどんな依頼もほぼ100%完遂すると評判である。

まさか本名で仕事など出来ないのでお互いにコードネームを付け合っての活動だ。

万屋での名は、クラウドとレイン。クラウドがシオン、レインがシンジ。

妨害工作で名乗る名は、スクルドとヴェルダンディ。スクルドがシオン、ヴェルダンディがシンジだ。


 

 
 

襲撃の真相と己の父親の目的を知ったシンジは、最初直ぐにでもゼーレとネルフを潰すことを望んだ。しかし、何れ使徒が襲来することは既に避けられない未来である以上、エヴァとエヴァを管理するネルフの存在は必要なのだ。そのことを説明し、ようやっと納得させたシオンはまずシンジを彼の望みの通りに鍛え始めた。といっても、既に学んだ戦闘術の素地があったため、実戦を積んで経験値をあげる支援をしただけである。後は万屋稼業で経験を積むことに腐心した。 優れた素質と本人の熱意があってか、あっと言う間にシオンのレベルへと追いついたシンジは、彼女の行っていたゼーレ施設襲撃への協力を申し出た。

シンジが仲間になってくれたことは正直嬉しく思っていたが、施設の襲撃のような裏の仕事を手伝わせる気は無かった。その為シンジをどうにか思い留まらせようとしたが、彼の熱意に押し切られ共にコードネームを名乗り裏で動き回ることになったのだ。 彼はパートナーとして優秀で今まで以上の戦果をあげることが出来た。カヲルの素体を保管しているゼーレ秘匿のダミープラントを殲滅できたのもシンジの援護があってこそである。そのことは喜ばしいが、シンジを自分と同じような犯罪者にしてしまった事に罪悪感を忘れることは出来なかった。

 










そして訪れた2015年。

 あらゆる者が各々の望みを叶える為に待ちわびた、予言の年。

人間に最も近く、何よりも遠い存在。強大な力と永遠の命を持つ神の使者が、地上に降り立つ時が訪れたのだ。

 

 




「ねぇ、シンジ。 本当に良いの? シンジがチルドレンになったら・・・」


「良いっていったろ?それに俺がチルドレンにならなかったら、シオンがエヴァに乗るつもりだろう?
 お前だけに任せきりにする積りはない。 それに俺が乗ったほうが計画のためには都合が良いって話し合ったじゃないか。」


「そうなんだけど・・・」

 


待ち人が一向に現われないため、暇を持て余した二人は最初他愛のない話をしていた。
が、これからの事を思って不安になったか、シオンがシンジにエヴァに乗ることを今からでも思いとどまらせようと、何度目かの説得を始める。そんなシオンを安心させようと軽い調子で決意が変わらないことを伝えるシンジ。彼の意思の固さを見て取って口ごもるシオン。

しばし、会話が途切れる。

 


「・・・・にしても、遅すぎる。
 待ち合わせ駅に着く前にリニアが停まったこと位調べればすぐ分かるはずだろう。
 何してんだよ、迎えの人間は。 俺らが死んだらどうする積もりなんだか。 」


「そうだね・・。
 電話も通じないし、いきなりネルフ本部に行ったりしたら怪しまれるしね。・・・どうしようか。」


-----まさか、この世界のミサトさんも時間にルーズだとは・・・・ずぼらさも変わらないのかな?
   一応事前調査はしたけど、個々の細かい内面まではわからないしねぇ。 
   あぁ、でも家事能力は人外レベルって評価があったなぁ・・脅威のMC兵器は健在・・かな?

 
 

内心ミサトの過去の世界と同じ行動に不安になって、苛立たしげに周囲を見回しているシンジを見ながら嘆息する。僅かに疲れた表情で人の気配が無い町並みで繰り広げられる、巨大な生き物と国連軍の戦闘機との戦いを見やる。

と、その視界に鮮やかな色彩が飛び込んできた。



月光を紡いだかの様な蒼い髪。水面に映る花の色の様に淡く鮮やかな真紅の瞳。
透き通る様な白磁の肌と、妖精のように華奢な体躯と繊細な面持ち。


この世界の綾波レイの幻影である。 



零号機起動実験失敗により重症を負って加療中の筈の彼女が此処に居るのは異常な事態なのだが、シオンは心を満たす懐かしさと、今の彼女の立場と環境を思ってほんの少し悲しみを帯びた瞳で、幻のレイを見詰める。目の前にあるのは、眠っているレイが飛ばした精神体であることを知っているのだ。肉体よりも精神を主として生きる単体の使徒に近い存在であるためか、本人の無意識の内に肉体を抜け出した心を遊ばせているのだろう。今の彼女が見ている記憶は、身体が目覚めてしまえば消えてしまうほど儚いものだと分かっていても、この世界のレイとの邂逅に喜びを隠し切れず、彼女へと笑顔を向けた。

 

 

 

 

 
 

その頃。
人気の無い無人の道を爆走する青い影があった。
シンジとシオンの待ち人、ネルフ戦術作戦部部長、葛城ミサト一尉の愛車アルピーヌ・ルノー である。



「やばい、やばい、やばいわ~~~。
 こんな時に迎えに遅刻したせいで、貴重なチルドレン候補を確保できなかったなんて減俸どころか即座に馘首よ~~~~!!
 しかももう使徒が上陸してんじゃない!!初戦から作戦部長が居なかったなんて、笑い話にもならないわ!!」


----・・・・・っく、何のためにネルフに居るのかわかんないじゃない!!

 


飛んでくる瓦礫を素晴らしいドライビングテクニックで全て避け切り、目的地に向かって車を走らせるミサト。
内心の苦々しさを押し殺しながらも、使徒へ対する憎しみに唇をかみ締める。


その目に、無人の駅前で立っている人影と、そこに落ちていく戦闘機が映った。
それを見て、当に法定速度を遥かに上回るスピードで走っていた車のアクセルをさらに踏み込む。



「ちっ 間に合いなさい・・・・・!!!」

 

 

 

 

 

 



同時刻。ネルフ本部中央作戦司令室第一発令所。

緊張に満ちた喧騒の中、発令所内にオペレーター達の報告が響く。



「正体不明の移動物体、依然本所に対して進行中」
「目標、映像で確認。主モニターに回します」



それを壇上から見下ろして重々しく呟く二人。総司令碇ゲンドウと副指令冬月コウゾウだ。

 
 

「15年ぶりだな。」


「ああ。間違いない--- 使徒だ。」

 


待ち望んだ時の到来に喜びを隠し切れずに組んだ両手の下で歪んだ笑いを溢すゲンドウ。
その傍らで、冬月はメインモニターに映る使徒と国連軍との戦闘を眺める。

 


「僅かとはいえ使徒についての情報は公開されているというのに、無駄なことをするな・・」


「くだらん。軍人のプライドとやらのためだろう。直ぐに思い知る。」


「そうだな。-------- 赤木博士、エヴァの準備は?」

 


モニターを凝視する国連軍将校の姿を横目に、エヴァの起動準備を行っているE計画担当博士赤木リツコに通信を繋げる。

 
 

{はい、赤木です。エヴァは弐号機、三号機共に起動準備完了。
 セカンド・フォース両チルドレンはエントリープラグ内で待機しております。後は発進準備を待つだけです。}


「そうか。 ----- 初号機と零号機は?」


{初号機はパーソナルパターンの書き換え終了。後はサード候補を乗せるだけです。
 零号機は起動実験暴走の際使用された硬化ベークラフトの除去が完了しておらず、動かすことは不可能です。ファーストの状態も戦闘に耐えられるほどには回復しておりません。}


「わかった。では弐号機と参号機を出撃準備。初号機は待機してサード候補の到着を待つ。」


{了解しました。}

 


通信機越しに会話する冬月とリツコ。
その会話に国連軍将校の声が割り込む。

 
 

「くそっ! 総力戦だ。出し惜しみはなしだ!!」


「なぜ動ける!本当に通常兵器は効かないというのか!!」


「まだだっ!!まだ切り札が残っている!!」

 


悔しげに呻いて一人が電話に手を伸ばす。


「----- わかりました。予定通り発動いたします。」

 

 

 

 

 

 





 

 

ネルフ本部 会議室

乗機を持たない予備チルドレン達が、外の喧騒を他所に大人しく待機している。

 


「マナ、大丈夫かなぁ。怪我なんかしなきゃいいけど・・」


「マナなら心配ないさ。その為の訓練だって十分に積んできたじゃないか」

 


部屋の隅に置かれたパイプ椅子に座って落ち着かなげに目の前の小型モニターを見詰めていた気弱そうな少年が、横に座っている友人に小声で話しかける。

元在日国連軍少年兵トライデント型陸上軽巡洋艦パイロットであった霧島ケイタと霧島ムサシである。 藍色のプラグスーツに身を包んでいる浅黒い肌の精悍な少年がムサシ。淡い緑色のプラグスーツに身を包み、不安を前面に押し出した表情でモニターを見詰めているのがケイタである。



二年前、ネルフは半公開組織に改変され、使徒の襲来と迎撃の為のエヴァの必要性が世間に公開された。それに伴い、当時非合法な情報網でエヴァのことを既知していた在日国連軍が、対抗策として開発していたトライデント計画をネルフによって潰された。その折、パイロットとして集められていた孤児達を保護する名目で、ムサシ達三人はネルフにチルドレン候補生として連れてこられたのだ。 虐待と紙一重の過酷な訓練と、安全性に問題の残る機体の操縦訓練によって、集められていたパイロット達の中で生き残っていたのは、マナ・ケイタ・ムサシの三人だけだった。

ネルフに保護され、損傷していた内蔵の治療を受けることができた。技術開発部技術局四課所属霧島アラタ三尉の養子になることができた。三人で生きていくことができる。決して得られないと思っていた普通の生活も保障されている。昔と比べたら雲泥の差である。

・・・・・それでも、戦場で命のやり取りをしなければいけない立場に居ることは変わりなく、今得られている恩恵もその代償に過ぎないのだと理解していた。
 

そして今、エヴァという兵器に乗って戦場に赴くのは、自分達にとって何よりも大切な幼馴染であり、共に生きてきた仲間の少女なのだ。抑えても抑えても湧き上がる不安に、身体は固く強張っていたがそれを表に出すことはせず、横で不安げにしている気弱な友人に強い口調で言葉を返した。

 

 

同じ部屋の会議用の大きな机を挟んで反対側にも二人の少年がいた。予備チルドレンである鈴原トウジと相田ケンスケである。トウジは群青色のスーツ、ケンスケは黄色のスーツを着ていた。二人は周囲に高まる戦場の空気に気分を高揚させ、自分達が戦いに出ることが出来ない不満を隠せずに苛立たしげに会話をしていた。

 
 

「あ~~~~!なぁんで俺は選ばれないんだよ~!やる気なら一番あるのに・・・・・」


「そんなん言うたかて、しゃぁないやんか。わしらじゃ、エヴァをよぉ動かせん。此間のテストかて起動もおぼつかん状態じゃのぉ」



特にケンスケは自分がチルドレンに選ばれる事が出来なかったことがよほど悔しいのか、しきりに手を動かして友人に愚痴を続ける。

 


「わかってるよ・・・・。だけど、いよいよ本当の戦争が始まるんだぜ?こんな所で燻ってるだけなんて、蛇の生殺しだよぉ~~」


「はぁ、わしにはよぉわからんわ。 まぁ女子に戦わせて、男のわしが安全な場所で見てるだけ、いうんはきっついの~」

 


トウジの冷めた返答に白けた顔をするケンスケ。しかし直ぐに顔を引き締めると、トウジを引っ張って小声で囁く。

 


「なぁ、それよりも知ってるか?今ミサトさんがサード候補を迎えに行ってるらしいぜ。
 なんでも、今まで誰にも動かせなかった初号機に乗せるために連れて来るんだと。」


「はぁ?サードっちゅうたら、欠番になってるとかで霧島がチルドレンに選ばれた時も飛ばしてフォースになったやないか」

 


突拍子も無い話題転換に、呆れたような声をあげるトウジ。大声で返された言葉に慌ててトウジの口を押さえるケンスケ。

 


「ば、馬鹿!!何大きな声出してんだよ!!
 ・・・・・だからさ、サード候補として選抜されていた奴が一度行方が解らなくなったとかで死亡扱いとして欠番にされてたんだと。 けど、最近そいつが発見されて、サードを復活させてチルドレンに任命しようとしてんだってさ。

 誰にも動かすことの出来ない初号機との相性が良い奴が見つかったんなら、それも当たり前かもな。
 なんせ、あの綾波や惣流すら起動指数ぎりぎりで満足に戦闘なんかできない状態だし。俺らに関しては起動すらできない。シンクロ数一ケタ台じゃそれもしょうがないんだけど。
 

 ・・・・・・あ~~~~けどさぁ!!
 ずっと訓練を積んできた俺らを差し置いて、そんな素人が選ばれるんだぜ?
 これが悔しくなくて、なにを悔しがれッてんだよ!!!!  」

 


頭を掻き毟ってもだえるケンスケを生ぬるい視線で一瞥して、明後日の方向を向くトウジ。
何とも言えない疲労感が全身を支配している。 



「・・・・・・・・アホか。」

 

 

 

 


 

 

 

 

 


ネルフ本部内 特別治療室


傷ついたものが治療するための場だけあって、此処までは外の喧騒が届くことはない。
けれど、どこか張り詰めた緊張感が戦場が近いのだと、そこに居るものに告げていた。



白い病室で体中に包帯を巻き、点滴を受けて移動用のストレッチャーに乗せられた蒼銀の髪の少女。ファーストチルドレンである綾波レイだ。彼女は今鎮痛剤の効果によって深い眠りについていた。一目で重症とわかる彼女がこんな所へ連れてこられているのは、それでもいざとなったら彼女をエヴァに乗せるしか人類が助かる道がないとわかっているからだ。ネルフTOPの本心がどうであれ、ネルフの存在意義は使徒の撃退とサードインパクトの阻止である。それを成し得る為ならば、多少の犠牲や欺瞞は許される。その考えに同調できる者だけが此処に居ることを許されるのだ。レイに対する非人道的な扱いに疑問を持っても、口に出すことができるものなど誰も存在しなかった。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 


チルドレン候補生控え室
 

適正を認められながらも、エヴァとシンクロすることが未だできない他の候補生達が一室に集められていた。
訓練時に着用する、候補生用の簡易プラグスーツ。男子は水色か青、女子は薄い桃色か淡い藤色のものを纏い、仲の良い友人同士で固まって雑談に興じて時間を潰していた。僅かなざわめきを避けるように、部屋の隅に並んで座り暗い表情で床を見詰める二人の少女。

二つのお下げと薄い雀斑が可愛らしい少女--洞木ヒカリと、真直ぐな黒髪を背中の中ほどまで伸ばし縁のない眼鏡をかけた口元の黒子が印象的な少女--山岸マユミである。二人はそれぞれの親友が戦場へと向かう事を憂いているのだ。

 
 

ヒカリにとってセカンドチルドレンであるアスカは、候補生に選ばれて戸惑っていた自分を励ましてくれた頼れる先輩で大事な友達なのだ。勝気で高飛車に見られがちな強気な態度ながら、さりげなく庇い指導し引っ張ってくれた彼女の強さに何度助けれたかわからない。 その彼女が今から未知の生物との殺し合いの現場に赴くなど、想像するだけで背筋が震える。
本人に問いかけても、何時ものように自信に満ちた輝く笑顔で安心させてくれるだろう。 けれど、あの気高い少女が本当は繊細な心と優しさを持っていると知っている。命のやり取りをする戦場で、傷つかない筈がないのだ。心配することしか出来ないけれど、だからこそ彼女の無事を祈っていたかった。


 

マユミにとってフォースであるマナは初めて出来た親しい友人である。 彼女と友人になるまで、他人に傷つけられることを恐れ、自分を傷つける者の無い本の世界に逃げ込んでいた。 頑なな態度で外界を拒絶していた自分に明るく話しかけ、人に慣れないせいで戸惑っているばかりの自分に優しく接してくれた。消えない恐怖と疑念から、中々打ち解けようとしなかった自分を温かい眼差しで見守ってくれた大切な人なのだ。 

彼女がチルドレンに選ばれてから、どれ程努力してきたか知っている。先任であるアスカやレイの足を引っ張ることの無い様に、懸命に訓練を行っていた。彼女が一人で出撃するわけではない。10年もチルドレンとして訓練していたアスカがいるのだ。万が一などありえない。彼女達は無事に帰ってくる。

・・・信じることしか出来ないけれど、待っているから。 だからどうか、死なないで帰ってきて。 そう胸の中で呟いて、強く両手を握り締め、神以外の何かに祈った。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

戦闘機が次々と叩き落される怪獣映画さながらの光景を、なんの感慨もなく見ていたシンジの視界にこちらに向かって爆走してくる青い車が入った。あれが迎えだろうと、シオンの方へ振り向いたシンジの目に、こちらめがけて飛んでくる戦闘機が映る。 

何時もならシオンが気付かないことはありえない。
だが今の彼女は、綾波レイへの懐旧の念に囚われていて周りが見えていなかった。 シンジは一つ舌打ちすると、咄嗟にシオンを抱えて飛び退る。其処に落ちる戦闘機が爆発を起こす。立ち込める煙と炎。落下地点とシンジ達が立っていた場所を遮るように青いルノーが走りこんだ。

 


「シンジ君!! お待たせ----- って、何で居ないの?!」

 
 

ミサトが慌てて車から飛び降りて周りを見渡すが、人影は見当たらない。
まさか今の爆炎に巻き込まれたかと、さらに周囲を捜索する。

 


「ちょっ 冗談でしょ?! シンジ くーん? 何処ー?!」

 


と、目の端に映る改札の陰に黒いものが見えた。

 

「シンジ君?・・・・?」

 


そろそろと近づくミサトの耳に少年と少女の話し声が聞こえる。

 


「・・・・・・なにやってんだよ。こんな所で呆けてたら危ないだろう?」


「うん。ごめんシンジ・・・。 ありがとう、助けてくれて。」


「い、いや別に怪我が無いならいいけど・・・」

 


呆れたような口調で窘めるシンジと、彼に笑顔を向けて感謝を告げるシオン。
シンジは向けられた全開の笑顔を直視出来ずに赤い顔をしてそっぽを向いている。


傍で聞いている方が恥ずかしくなるような仲睦まじい様子に、少々気圧されながらも恐る恐る話しかけるミサト。



陰から覗いていたのは彼が着ている袖なしの黒いロングコートのようだ。薄手の物と言っても暑くないのだろうか、とミサトが二人の姿を観察する。

コートの下には袖口がゆったりと広がった白いシャツを着ている。一見すると中国の長袍のようなシルエットだ。シンジの右耳には真紅のピアス。肩を越す程度に伸ばされた艶やかな黒髪が無造作に赤い紐で括られている。

少女の方も似たような格好で、コートではないが黒い袖なしの上衣に五分丈のパンツ。丈夫な皮のショートブーツを履いて、右耳には漆黒のピアス。長い髪は一つに編みこんで、シンジと揃いの赤い紐で結ばれている。

 ・・これは万屋として依頼を遂行するときに使用する戦闘服だ。服の各所には暗器や通信機その他の装備が仕込まれ、服そのものもあらゆる改良が施された耐久スーツである。最初から手の内を明かす気は無いが、相手がどんな強硬手段に訴えるか解らない以上警戒するのは当然だ。ならばと使い慣れた装備品で、最も優れた物を選んだ結果がこの姿である。

 
 

「あ、あのー? シンジ、君?」


「「あっ ・・・・・・・」」

 


完璧なユニゾンで振り返る二人。しばし沈黙が訪れる。



「あ、えーと。葛城さん、ですね?」

 


逸早く我に帰ったシンジが確認する。ミサトの方も気を取り直して応える。その顔は面白いおもちゃを見つけた子供のようだ。

 


「そうよんv 私が迎えの葛城ミサト。 ミサトで良いわ。
 ・・・ そ・れ・よ・り v そっちの子はだーれかなぁ? お姉さんに教えてくれるかな?」


「あ、え? わ、私は、あの、その、」

 


ものすごく楽しそうだ。そんなミサトの勢いに押されてあわあわと戸惑うシオン。
横で聞いているシンジも赤い顔をしていたが、未だ続く戦闘音に気付きミサトを急かす。

 


「葛城さん!!今はそんなことしてる場合じゃないでしょう。早く此処から離れないと死にますよ!!」


「あっ え、ええ。 そうよね。じゃあ、シンジ君もそっちの子も早く乗って!」

 


シンジの言葉に今の状況を思い出し、慌てて運転席に乗り込む。二人が後部座席に入ると同時、ドアを閉めるのも確認せずにアクセルを全開にして猛スピードで走り出した。しばらく走り続けて、やっと最前線から距離をとったことで落ちついたのか僅かにスピードを落として後ろの二人を観察するミサト。にこやかな表情を崩さぬまま、二人の子供の様子を窺う。

 
 

----- 碇シンジ 14歳 総司令碇ゲンドウの長子。
   二年前既にマルドゥック機関によりサード候補に選抜されるも、行方がわからなくなり死亡したものとして欠番。 半年前、突然伯父の家に帰宅。伯父達の追及を交して、中学に復学。以来の生活態度に特筆する問題は無し。成績は中の上。病歴は無し。・・ついでに友人との交友も無し。ってあったんだけど・・・
   

   にしても、あの厳つい髭親父には全く似てないわねぇ。母親似?年の割には背も高いし、170はあるかしら。結構鍛えてるみだし・・格闘技経験有とか書いてあったっけ?
   



事前に渡されていた調査書の内容を思い起こしながらシンジに話しかける。

 


「落ち着いたところで、改めて。 貴方のお父さんに迎えを頼まれた葛城ミサトよ。よろしくね?」

 


サングラスを外しながら、ミラー越しに笑いかけるミサト。
それに無言で会釈して挨拶するシンジと、ぺこりと頭を下げて名乗るシオン。



「よろしく。」

「はい、えっと赤月シオンです。よろしくお願いします。」

 


少女の言葉に先程聞きそびれた疑問を投げかけるミサト。楽しそうに笑いながらも、シオンを見る瞳は鋭い。

 

「それで、貴方はシンジ君のお友達かしら?
 えーっと、これから行くところはちょっと特殊な場所でね。部外者をいれるわけにはいかないのよ。
 悪いんだけど、途中で降ろすからどこか近くのシェルターに行ってもらえるかしら?」


----- こっちの子も随分と綺麗な子ねぇ。仲良いみたいだし恋人かしら。
    美男美女のカップルって居るとこにはいるのねぇ。

 


ミサトの言葉に反応したのはシンジだった。しかも先程までの穏やかな空気が消え、僅かに剣呑な気配を纏っている。

 
 

「じゃあ、僕も行きません。ただ父親に呼ばれたってだけで、部外者なのは同じですからね。
 シオンと一緒に降ろしてもらえます? 用事が有るなら予定を改めて、ということで父に伝えてください。」

 


それに慌てたのはミサトだ。なんといっても彼は貴重なサード候補である。適正を持つものを育成しているといっても、実際にエヴァを起動できるチルドレンは未だ数人しか居ないのだ。しかも、戦闘可能なレベルの者はレイ・アスカ・マナの三人だけである。ドイツ支部にも一人居るらしいが日本に居ないなら意味が無い。ここで、チルドレンとして高い適正を持つという彼を逃がすわけにはいかない。
逡巡するがすぐに結論を出す。まずはシンジを連れて行くことが最優先だと、しぶしぶシオンの同行を許可した。

 
 

「わ、わかったわ! シオンちゃんも一緒に行きましょう。
 ・・(シンジ君を連れて行けないなんて事になったら、リツコに何言われるか分かったもんじゃないわよ!)」


 

大学以来の友人の顔を浮かべて暗鬱になるミサト。
誰も口を開かないまま車が走る。

 


「・・・・・・・・あっ。 戦闘機が・・」


「え?・・・・・げっ! 嘘でしょう~~N2地雷を使うわけ~~?!」

 


静かな車内にポツリ、と溢されたシオンの言葉に外の様子を確認したミサトが驚愕してスピードを上げる。ひたすらに衝撃圏内から離脱しようとするが、間に合わないと見て取って近くに見えた丘の陰に車を停めて対ショック体勢とるよう促す。

 
 

「伏せて!!」

 


言って、頭を庇うように蹲るミサトの後ろでシオンとシンジが静かにアイコンタクトをとっていた。

 


「(シオン)」
「(わかってる)」

 


シンジに肯いて微弱なATフィールドを展開。センサーに引っかからない程度の物なので車の横転は避けられないが、バッテリーなどに衝撃の影響が出ないようにカバーする。”過去”のように余計な時間を過ごすわけにはいかないのだ。平気だと分かっていても反射的にシオンを庇ったシンジの腕の中で、フィールドを操るシオン。車が二転三転して引っ繰り返ったまま止まる。やっと収まった衝撃に恐る恐る顔を上げたミサトが嘆きの声を上げた。

 
 

「あ~~~~~うっそでしょ~~?まだ33回もローンが残ってるのに~~!!」

 


呑気な声を聞いて脱力し疲れた溜息を吐きながら外に出た二人は、ミサトを引っ張り出した。

 


「葛城さん・・あまり気を落とさないで・・早く車を起こして行きましょう。ほんとに命に関わりますよ」


「そんな場合ですか?葛城さん。
 ほらちょっと傷がついてますけど、何処も異常は無いみたいですよ。」

 
 

シオンがミサトを宥める傍ら、車を起こして一通り点検したシンジが告げる。
それを聞いて自分のペースを取り戻したミサトが驚きながらも安堵の吐息を漏らした。

 


「え!!ほんと! よかった~~~この上車がおしゃかになんてなったら立ち直れないところよ~~~にしても、シンジ君ッたら力持ちね~~ さっすが男の子!」


「はいはい。なんでもいいから行きますよ。
 あの怪物もN2喰らって生きてるみたいですし、ここも安全じゃないんですから」


「そうよ!!こうしてはいられないわ!!ほら早く!二人とも急いで!!」

 


のほほんと愛車の無事を喜んでいたミサトは、シンジの言葉に我に帰ると二人を車に引きずりこんで四度、アクセルを全開にしてその場から走り去った。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 


使徒を映し出していた発令所のモニターが激しい閃光に埋め尽くされる。
それを見て歓声を上げる国連軍高官の三人。

 

「やった!!」
「残念ながら君たちの出番はなかったようだな」



作戦完遂を確信した将校の一人がゲンドウらを振り返り、勝ち誇った満面の笑みで得意げに告げた。

 
 

「衝撃波、来ます」



オペレータの声と共にモニター全面にノイズが走る。

 


「その後の目標は?」


「電波障害のため確認できません」


「あの爆発だ。ケリはついてる」

 


将校の一人が安堵した様に椅子に背を預けて呟く。


数秒後、ノイズが取り払われモニターに映し出された光景に愕然とする三人。

 



「センサー回復します」
「爆心地にエネルギー反応!」


「なんだと!?」


「映像、回復します」

 


映し出されたモニターには、表面の一部を焦がしながらも何事も無かったかの様に立っている使徒の姿。
人間で言う首の辺りに、古い顔を押しのけて二つ目の顔が現われる。

 


「我々の切り札が・・・・・・」
「なんてことだ」



将校の一人が悔し気に机を叩く。

 
 

「バケモノめ!!」

 


モニターの中で使徒は破損部分を修復し、新たな部位を作り出している。

 


「予想どおり自己修復中か」
「そうでなければ、単独兵器として役に立たんよ」

 


第一発令所を見下ろす上段で、モニターと騒ぎ立てる軍人達を横目に会話するゲンドウと冬月。


一瞬使徒の目が光ったかと思うと、モニターが再びノイズに覆われ目標の視認が出来なくなる。
偵察用無人ヘリコプターの存在に気づいた使徒が、目から光線を発射しヘリを打ち落としたのだ。

 


「ほう、大したものだ。機能増幅まで可能なのか」
「おまけに知恵もついたようだ」


「再度侵攻は、時間の問題だな」

 


部外者の騒乱など知らぬ気に交わされた陰気な会話は、他人の耳には届かず暗がりの中に消えた。

 




「――はっ、わかっております。しかし――はいっ、了解しました」


「・・・今から本作戦の指揮権は君に移った。お手並みを見せてもらおう」



撤退命令と指揮権の移譲を知らされた国連軍将校達が、苦々しく告げる。
総力戦を挑み、N2爆弾まで使用しておきながら敵を殲滅できなかったのだ。
しかも自分達が見下していた若手の組織に頼らねばならない屈辱に、これ以上無い程顔を歪める。

 
 

「了解です」


目線を合わせる事も無く居丈高に返答するゲンドウ。



「碇君、我々の所有兵器では目標に対し有効な手段がないことを認めよう」
「だが、君なら勝てるのかね?」



せめてもの抵抗か、苦々しく皮肉を交えて問いただす。
僅かほどの痛痒も感じず、淡々と返すゲンドウ。



「そのためのネルフです」


「期待してるよ」



荒れる内心を辛うじて押し隠し、捨てゼリフを残して発令所を去る将校達。
背中には暗い影が被さっている。

 
 

「目標は未だ変化なし」
「現在、迎撃システム稼働率7.5%」



将校達が退席する様子を眺めていた冬月が口を開く。

 
 

「国連軍もお手上げか。サード候補は到着していないが、どうするつもりだ」


「弐号機と参号機に迎撃させる」


「いいのか?初号機を出さねばお前のシナリオから外れるぞ」


「問題ない。ATフィールドの展開が出来ていない状態で、勝てるとは思わん。時間稼ぎが出来れば良い。
 もし倒せたとしても使徒はまだ来る。次回に回すことも出来る。多少の変更は致し方ない。シナリオのずれは今更だ。」

 


表情を動かすことなく冬月の質問に答える。
他人は全て自分の望みの為の駒としか考えていないのだろう。その声には何の感情も込められていない。
聞いている冬月も平然としている。明かりの乏しい暗がりに陰鬱な瘴気が渦巻いていた。

 


「司令。目標が再び移動を開始しました。」


「・・総員第一種戦闘配置。」



重々しいゲンドウの声に発令所を更なる緊張感が支配し、各々がエヴァの出撃準備のために動き始めた。

 


「ところで碇。葛城君もまだ到着していない様だが、指揮はどうする」


「それも問題ない。日向二尉にやらせろ。もとから能力にはさして期待していない。」


「まぁ、それが妥当か。 -------- 日向二尉!!」

 


突然上司に呼ばれて驚く日向。慌てて振り返る。

 


「はい!」


「葛城作戦部長が到着するまでの間、君が指揮を執りたまえ。」


「え!? あ、はい!了解しました。」

 


思わず間抜けな声を上げるが、なんとか取り繕って返答する。敬愛する直属の上司の代わりを務める事に緊張を隠せないが、同時に誇らしさを感じて張り切ってデータを読み込み作戦を考え始めた。

 

 

 

 

 

 

 

 
 

エヴァンゲリオン ケージ


これからの戦いへ向けて緊張感を高めていたアスカの元へ通信が入る。

 


{アスカ、指揮権が移譲されたわ。ミサトが到着していないから指揮は日向二尉が執ることになるけれど。}



「はっ!誰が指揮しようと関係ないわ。
 このアタシが出るのよ?たかだか使徒ごときに負けるわけ無いでしょうが!!」

 


リツコの言葉に胸を張って言い返す。いよいよ自分が倒すべき敵と戦えるのだ。心を支配する歓喜に任せて高らかに言い切った。

 


{そう。緊張はしてないようね。安心したわ。
 霧島さんはまだチルドレンになってから日が浅いから、多分貴方がメインになると思うけど大丈夫ね?}


「誰に向かって言ってんのよ!!アタシはエヴァのエースパイロット!惣流・アスカ・ラングレーよ!!素人の一人や二人に足を引っ張られるなんてありえないわ!!」


{はいはい。霧島さん?もう直ぐ出撃よ。貴方も準備しておいて}

 


アスカの大言を微笑で聞き流して、先程から一言も喋らないマナに通信を入れる。

 


{霧島さん?聞いている?}


「は、はい!!了解しました!」

 


初めての実戦に緊張して固まっていたマナは、リツコの呼びかけに慌てて応える。
元少年兵として、実戦の場に駆り出されたことは何度かあった。しかし戦力としては期待できない子供であった為、救護班や供給班などの後援部隊に手伝いとして赴いただけである。実際に前線で命のやり取りをする立場に立ったのは初めてなのだ。多少の緊張も仕方が無いことだった。それを悟っているリツコは滅多にない優しげな口調で話しかける。

 
 

{そんなに緊張しないで大丈夫よ。一人で出るわけでは無いのだし、出来る限り援護もするわ。
 それに、十分訓練も積んできたのでしょう?普段どおりにやればいいのよ。}


「はい。 ありがとうございます。」

 


リツコの言葉にやっと肩の力を抜いて、気遣いに感謝を示す。
強張った顔には、普段通りとはいかずとも明るい笑顔が浮かんでいた。

 


「はっ! これだから素人は・・ 
 アンタ!!アタシの足引っ張ったら承知しないわよ!!怖いんなら後ろで隠れてなさい!!」

 


リツコとマナの会話を聞いていたアスカは、勢い良く口を挟んだ。内容は褒められた物ではないが、裏に隠された僅かな気遣いにマナの表情が綻ぶ。アスカは、自分が前に出るから無理して戦おうとしなくても良い、と言っているのだ。分かりにくい彼女の優しさに可笑しさを覚えて、リツコとマナは微笑を交わした。

 

 
 

 

 

 

 

 

 


ネルフ本部 第一発令所


いよいよネルフがその本領を発揮する時が来たのだ。
高まる緊張に自然と皆口数が減り、ただ作業の音と報告を上げるオペレーターの声のみが響く。

 


「さて、アスカ君、マナ君。作戦を伝えるよ。」


{早くしなさい!!もう其処まで使徒が来てんじゃないの!}
{落ち着いて、アスカさん。}

 


モニターに映された二人のチルドレンに作戦概要を告げようとする日向。
二人がさほど緊張していないようなのを見て取って内心で安堵する。
笑みが浮かびそうになるが、あえて口元を引き締めて考えた作戦を告げた。

 


「うん、大丈夫そうだね。
 ・・・作戦だけど、まず弐号機を使徒正面に射出。その際に武装ビルから射撃を行い目標を正面に向けさせる。 ビルからの攻撃の隙を突いて弐号機はパレットガンを装備。間を置かずに射撃。

 目標が弐号機の攻撃に対し防御を行っている間に後ろ側に三号機を射出。
 射出と同時にソニックグレイブを装備して目標に攻撃。
 その際、目標の弱点・・真ん中辺り人間で言う肩甲骨の中心部を狙ってくれ。そこにある赤い球体が弱点と思われる。それが無理なら肩のパイルを打ち出す部分を何とか傷つけて目標の攻撃を封じる。
 三号機が攻撃を行っている間に二号機もソニックグレイブを装備して正面から目標の弱点を攻撃。


 片方が目標の気を逸らす、または防御・攻撃を封じている間にもう片方が攻撃して殲滅。
 すまないが、ATフィールドが展開できていない現状ではこれが精一杯の作戦だよ。 ・・・何か質問はあるかい?」

 


国連軍の交戦データから考えた作戦を説明する日向。
チルドレンに質問の有無を確認する。

 


{オッケーオッケー。 まっ アタシがいれば勝利は確実よ!! まかせなさい!!}
{ありません。了解しました。}

 


明るい声で返答する二人に安堵するが、緊迫した状況を思い出し、改めて気を引き締め目の前のデータに集中した。

 


「では、いよいよ作戦を開始するよ。・・・・準備はいいね?」


{いつでもどうぞ!!}
{了解}

 


二人の返事に頷いてから最上段の司令を見上げて確認を取る。

 


「--- よろしいですね?」


「無論だ。使徒を倒さねば我々に未来は無い。」

 


重々しい返答を背に前を向き直し、号令をかけた。

 


「弐号機、発進!!」



号令と共に勢い良く射出される弐号機。
地上に弐号機が出ると同時にリフトオフを命じる。
使徒の正面にでた弐号機が武器を構えるのを確認し、参号機も射出する。

 


「参号機、発進!!」

 


参号機も同じように地上へ打ち出される。




人類の存亡を賭けた争いが、始まった。

 








 

 

 

 

 

 

 

 

 

















 

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