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・碇レンver
・今更ではありますが、時系列及び預言の在り方等諸々について、夥しい捏造が入ります。
特に創世歴時代の出来事や人物間の血縁関係や交友関係等は、公式設定とは全くの別物だと考えてください。
・本来お亡くなりになる方が生存してたり、マルクト・キムラスカ・ダアトへの批判・糾弾や、PTメンバーへの批判・糾弾・断罪表現が入ったりします
CP予定:
・・・キラ×ラクス(seed)
・・・カイト×ミク(ボカロ)
・・・クルーゼ(seed)×セシル(アビス)
・・・被験者イオン×アリエッタ(アビス)
・・・フリングス(アビス)×レン(碇レン)
です。上記設定がお好みにそぐわない、という方はお読みにならないようにお願いいたします。
さて。
キムラスカのファブレ邸に局地的なブリザードが。
マルクトの王宮にて局地的な雷雨が降り注いだある日。
ここ、ダアトの中心部---ローレライ教団神託の盾騎士団本部も上へ下への大騒ぎの真っ最中であった。
とある一部の師団長はほくそ笑んで企みごとを進め。
とある真っ当な詠士一同は緊急事態の勃発に眩暈を無理矢理堪えて事態の把握に走り回り。
とある預言マニアの大詠士の側近はこれ幸いと策謀を巡らし。
とある国から送り込まれているスパイ達は其々の国に情報を送り。
とある隠された真のダアト最高責任者に近しい者の一人は、疲れきった溜息を漏らした。
「つーか、本気かこの命令・・・・」
「ああ?何言ってやがんだ」
溜息混じりにぼやいた黒髪の青年に、鮮血の如く鮮やかな紅毛の青年が凄む様に聞き返す。その口調は柄の悪さも此処に極まれりといえるほど粗暴なもので、黒髪の青年は別の意味で再び溜息を吐いた。無駄とは知りつつ一応いってみる。
「・・・アッシュ特務師団長殿にお聞きするが、
・・・この命令に従うってのがどういう意味を持つのかお分かりか」
「はっ、なに言ってやがる。
導師救出って名目でマルクトの陸艦を奪ってくりゃ良いってだけだろーが。」
「・・・・・・そうか。」
(・・・・イオンやアイツがきいてたら満面の笑みで秘奥義ぶっ放してんだろーな・・・)
カナードは胡乱な目で目の前のアッシュを眺めた。初めて存在を知ったときから思っていたが、・・・・とてもとても元王族とは思えない粗暴な言動に浅慮な思考回路。身近にアッシュより年下で遥かに有能な支配者気質の人間を知るカナードは呆れ以外の感想を抱けない。
「幾ら導師が誘拐されたといっても証拠がなければ只の疑惑だろう。
まずはマルクトに真偽を質してからでも遅くないとは思わないか。」
「なんだ怖気づいたか?なら待機してても構わんぞ。」
「・・・・」
(発見したときに教育しとくべきだったかな。
・・・・キムラスカの弱みになるかと思って放置したのは失敗だったか)
「ああ時間だな。」
「・・・」
「じゃあ、俺は行くぜ。お前も来るつもりなら早くしろ」
「・・・・・・・・・はぁ」
確かに人に命令しなれている姿を見れば、成る程と思わなくもないが。如何せん普段の柄が悪すぎる。カナードとしてはアッシュの失態はむしろ望むところだが、それが教団へ跳ね返るような大きすぎる問題だけは回避したい。アッシュの気配が完全に遠ざかってから、影に潜んでいた気配に話しかけた。
「・・・・で、アイツは何て?」
「取りあえず、従って、良いそう、です。・・・モースの失脚材料に、する、です。」
影から進み出た小柄な少女が答えた。鮮やかなローズピンクの髪の幼げな少女。言葉遣いが拙くあどけない表情だが、その動きに隙はない。彼女は現神託の盾騎士団第三師団長を務め、二年前には導師守護役すら勤めたという実力者である。何らかの事情で親を亡くした時、赤子のアリエッタを拾ったというライガ一族の女王に育てられたという経歴を持つ。魔物に育てられたという風評以上の詳しい事情を知っているのはカナードと
アリエッタの主だけだが、経歴ゆえの実年齢より幼い外見の印象で見縊り嘗めてかかれば手痛いしっぺ返しにあうだろう。本人もそれを自覚して敵の油断した隙を突くなど、決して侮れない。最もカナードにとっては数年の付き合いを経た妹分で、親友の大事な少女である。未だ恋人同士にはなっていないが何時くっつくか、と仲間内で見守っている対象で穏やかな微笑ましさしか感じない。勿論信頼もしている。そのアリエッタの方を見下ろして問い返した。
「良いのか?ヴァンの手駒はともかく、アッシュは不味いんじゃねぇ?」
「アッシュも、今の立場は只の師団長、です。
責任は重くても、結局は命令される側、ですから。」
「・・・ま、それもそうか。
・・・・しっかし、イオンが誘拐された、って聞いたときは何の天変地異かと思ったぜ。
ありゃ、アイツの指示か。」
「はい、です。あの方・・・イオンさ、いえ、イザナ様が、マルクトへの貸しを作れると、ジェイド・カーティスの無礼を取りあえず見逃しておけ、と言ってました、です。」
「イオンは、アイツ・・イザナに似ているからなあ。嬉々としてアニスも連れてったんだろぅよ。
今回犯した失態で纏めて首を飛ばせるような証拠を揃えきるつもりか。」
くすくすとアリエッタが笑う。その声には誇らしさが混じっている。アリエッタにとって、イザナ・・・二年前に秘密裏に導師を降りた被験者イオンは最愛の主である。モースらの企みを利用して己のレプリカに地位を譲り身を潜めることを選んだ際に、イオンの名をレプリカに与え新しい名前に変えた。そのイザナと、教団に残っている仲間達との連絡係がアリエッタの本来の役目であった。ついでにヴァンの誘いに乗ったふりで六神将に納まり、ヴァンの企みの証拠集めもしている。イザナが喜ぶと思えば、一人で何役も勤める苦労など苦労の内にも入らない。ただイザナの信頼が嬉しくてこれからも頑張ろうと思うだけだ。
「イザナ、様。笑ってました、です。」
「だろーよ・・・アイツにとっちゃ飛んで火にいる夏の虫ってとこか。
ヴァンとモースの企みを暴露すりゃ教団の分裂勢力を一掃するのも大分簡単になることだしな。
・・・で、教団の行く末に着いちゃ結論は出たのかよ?」
「・・・それは、もう少し考えさせてくれ、って、言ってました、です。」
「それもそうか。俺は良いが、タイミングを逃したら厄介だぜ?」
「わかってる、です。」
カナードの問いに、笑顔から一転真剣な表情をしたアリエッタに彼も肯く。預言の神聖を壊してしまいたい、というイザナの願いに共感して動いているカナードらではあるが、教団そのものをどうするか、という答えを即決はできない。カナード本人は壊しても何ら痛痒も感じないが、曲りなりにも元導師のイザナや師団長であるアリエッタにもそれを強要しようとは思わなかった。時間は余りないが、ぎりぎりまで悩む手助けくらいはしてやろうと思っている。自然にそう考える自分の感情に照れくささを感じて渋面を作ってしまったが。
「・・・じゃあ、アリエッタも、お友達を貸す約束ある、です。」
「そうか、・・俺もアッシュが最悪の失態だけはしない程度の面倒を見なきゃなんねぇからな」
アッシュの事に思考が及んで、渋面の種類が変わるカナード。つくづく厄介なものをダアトに持ち込んだと、ヴァンに悪態をつく。イザナに協力することを決めて、取りあえず特務師団副団長を続けていたカナードに、預言が憎くないかと持ちかけたヴァンのうかつさには呆れつつ都合が良いと思ったものだ。しかししばらく後に連れてきた赤い髪の子供の姿には唖然とした。その子供の出自をヴァン本人に聞きレプリカ作成の下りに至っては、その場でヴァンを殺さなかった己の理性を褒めたくなるほどだ。
「(キムラスカの公爵子息を誘拐してレプリカと挿げ替えたってのを、あんな風に軽く話した奴の思考回路を解体してみたいね。 ・・・・下手すりゃキムラスカから宣戦布告無しに戦争けしかけられてても文句言えねぇぞ。・・・アッシュ本人の意思も絡んでると知ったときも呆れたが。)」
幾らなんでも、と想いアッシュ本人にそれとなく伺ってみれば、どうやら本人の意思での亡命でもあるらしい。それにしたってダアトの責任は軽くないから帰国の意思を確認すれば、帰ってきたのは居場所を奪ったとやらのレプリカへの憎悪であった。その頑なさたるや手のつけようもないほどに強固なもので、カナードの手には負えないとイザナに相談したら、でた結論は現状維持。取りあえずヴァンの単独犯のまま様子見で、アッシュが教団の師団長として自ら働くのならば其れを盾にとっていざという時の交渉カードにする、と。
「(まあ、キムラスカも、王位継承権一桁の王族が自ら亡命して他国の軍人してたなんて、ばらされたら醜聞どころの話じゃねぇしな。 後はイオンやイザナの手腕に懸かってるが、それは何とでもなるだろ。)
・・・つくづくイオンはイザナに似てきたよなぁ。」
「そう、ですか?イオンは、イザナ様より、まだまだ可愛らしい、です、よ?」
「お前もすげえよ。良くあのイオンを可愛いとかいい切れるな。」
「???」
イオンの、完璧な仮面笑顔を思い出して乾いた笑いを漏らすカナード。・・・あれは確か影で私服を肥やしてた詠士を処分するときに本人を足蹴にしながら披露していたものだったか。ヴァンやモースに隠しきって事を片付けた手腕といい、確実にイザナ直伝の腹黒さ。
・・・可愛い、と断言できるアリエッタの器の大きさを再確認したカナード。
尊敬の眼差しで妹分を見下ろした。
(別人っつっても資質は同じ、か。身体の構造は同じものだしなあ。)
幾らレプリカといっても、カナードから見れば肉体の構成が同じだけの他人だという意識がある。そもそも研究者らがほざく様に、被験者の身体を完璧にコピーすればもう一人の被験者として成り代わる存在が生まれるなどと、どんな与太話だと思う。人を人たらしめるのは、その人間が経験蓄積した過去の出来事と付随する感情だ。記憶を機械的に移すことが可能でも、だからレプリカが被験者本人と同じ存在だと思える方がどうかしている。だったら、同じ両親から生まれた兄弟なんかの容姿が瓜二つだったとして、例えば兄の記憶を弟に移せば兄弟は同じ存在になれると言うことか?そんな馬鹿な話は存在しない。
「(イザナも最初はそう考えてたみたいだが・・・)」
一人目のレプリカが、能力不足で代理にはなれそうもないからと自分が殺したといったイザナとの本気の殴り合いも思い出したカナード。あの時は本気でイザナとの決別も考えたのだ。・・・預言に詠まれることなく、万人に存在を認知されないレプリカは、過去のカナードの境遇にどこか似ていて、尚更イザナの行為に腹がたった。お前も、俺の母親と同じ事をするのか、と。当時既に不治の病に冒されかかっていたイザナ相手に、アリエッタが泣き喚くほど手加減せずに殴りかかった。
お互いに力尽きて倒れてから、カナードの本音をぶちまけて、それを聞いたイザナが考えを翻す事がなかったら、今共にいることはなかった。カナードの言葉に何か考え込んだイザナが、だったらレプリカは自分の弟として考えようと言った時、まるで自分が母に存在を見てもらった時のような気分を味わった。それは誤魔化しようのない嬉しさ、だった。だから、カナードにとって今導師を務めているイオンは、親友であるイザナとは別の意味で特別な位置にいる。過去の自分を投影するわけではないが、そう、カナードにとっても弟のようなものか。
(イオンがどんどんイザナに似てくるってのが些か不安だがな・・・頼もしいのも事実だが、何もあんなに腹黒にならなくても・・・)
イオンが成長と共に親友にそっくりな支配者の器と権力者特有の思考を身に着けていくことが些か寂しいカナード。
口ではなだかんだいっても、弟を可愛がるの面倒見の良い兄貴そのものである。
イザナやアリエッタの微笑ましげな視線に見守られる日々だった。
「あ、そういやイザナの容態はどうなんだ?回復は順調か。」
「はい、です。ラクス様が紹介してくださった、お医者様が、もう直ぐベッドに拘束される必要もなくなるって、いってました、です。」
「あの姫さんもすげぇよ。さすがイザナの師匠」
「はい、です。格好いい、です。」
協力すると決めた後紹介されたイザナの師匠であるラクスクライン嬢は、なんとマルクトの公爵様だった。なんでも、十歳で爵位を継ぐ前から預言の支配を断ち切るために活動していたらしい。元々は母親と死んでしまった友人の意思を受け継いだそうだが、そこら辺は詳しくは語らなかった。ただあの姫君が、見かけなど180度裏切るような女傑であると認識するだけだ。純粋に尊敬できる人間の一人である。
その彼女が、イザナの病に気づき腕の良い医者と療養できる環境を提供してくれなかったら、イザナは二年前に預言の通り死んでいた。カナードもアリエッタもイオンも、ラクスには心から感謝している。きっと必要ならば敵対もする。その時に互いに手加減することはない。しかし抱いている感謝と尊敬が薄れることもない。そういう相手に出会えた事を誇りに思うだけだ。
「さて、いい加減行かなきゃ不味い時間だな。
・・・んじゃ、アリエッタも気をつけろよ。お前のお友達がいりゃ心配ない気もするが」
「勿論、です。カナードも、怪我しないでください、です。」
「んじゃ、とにかくまずは、”導師奪還作戦”だな。」
「「いってきます」」
そこでカナードとアリエッタは別れた。
何はともあれ、ここにも一つの勢力が本格的に動き始めた。
それぞれが少数の集まりながら、現オールドラント最強の人物達率いる三勢力の揃い踏み、である。
03 | 2025/04 | 05 |
S | M | T | W | T | F | S |
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1 | 2 | 3 | 4 | 5 | ||
6 | 7 | 8 | 9 | 10 | 11 | 12 |
13 | 14 | 15 | 16 | 17 | 18 | 19 |
20 | 21 | 22 | 23 | 24 | 25 | 26 |
27 | 28 | 29 | 30 |
書きたい物を書ける時に好きに書き散らしてます。文頭には注意書きをつける積りですので、好きじゃない、と思われた方はこのHPを存在ごとお忘れになってください。(批判とかは本当勘弁してください。図太い割には打たれ弱いので素で泣きます)
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