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連載の一場面。書いてみたけれど、いろいろ矛盾が出てきて没にした場面。
(でも一部はそれなりに気に入っているので勿体なくなりました。すみません)
この作品は、エヴァ×アビス基本+seed(キラ・ラクス・クルーゼ・カナード他)、ぼかろ(カイト・ミク・メイコ)設定がクロスする混沌クロス作品です。
・碇レンver
・本来お亡くなりになる方が生存してたり、マルクト・キムラスカ・ダアトへの批判・糾弾や、PTメンバーへの批判・糾弾・断罪表現が入ったりします
CP予定:
・・・キラ×ラクス(seed)
・・・カイト×ミク(ボカロ)
・・・クルーゼ(seed)×セシル(アビス)
・・・被験者イオン×アリエッタ(アビス)
・・・フリングス(アビス)×レン(碇レン)
です。上記設定がお好みにそぐわない、という方はお読みにならないようにお願いいたします。
「拝謁の機会を賜りまして光栄至極にございます。
皇帝陛下に置かれましては・・・・」
「あーいい。堅苦しい挨拶はなしで本題に入れ。
・・貴殿がこれほど唐突な謁見を申し出たんだ、火急のようなのだろう?」
流麗な仕草で挨拶を述べるラクスの言葉を中途で遮り鷹揚に手を振って本題に入らせる。
砕けたの物言いのなかにも威厳を纏う皇帝の姿は、大国の主に相応しいものであったが、その内心は実に冷や汗しきりの恐慌状態だった
至高の椅子に座り年齢も四十路も近い一国の皇帝が何を、といわれるかもしれないが、目の前の麗しい美貌を誇るマルクト帝国侯爵令嬢は、それだけの存在なのだ。何せ若干10歳でクライン侯爵家を継ぎ次々と斬新で効果的な政策を打ち立てて戦争の爪痕深いホド島最近領の領地を復興させ、頑迷で老獪な貴族院の狸爺どもを手玉にとって宮殿内での立場を確保したと思ったら、あっという間にマルクト議会を掌握し、今ではマルクトの影の女帝と密かに恐れられる女傑である。例え己よりはるかに年若い女性であろうと、見縊ることなど出来ない。
何より後ろ盾のない状態で即位した当時、刺客からの護身から政治的立場の確立にまで、ラクスには陰に日向に助けられた恩もある。頭など上がるはずがなかった。
「ええ実は、和平の使者を、キムラスカに送ったと伺いましたが・・・・真でしょうか?」
「ああ、そのとおりだが・・?それがなにか・・・」
何を言い出すのかと冷や冷やしていたピオニーを余所に、実ににこやかな表情で話し出したラクス。その内容の唐突さに首をかしげるピオニー。彼女は元々穏健派で常日頃から戦争の愚かさを説いて居たはずだ。確かに彼女が領内の問題で手を離せなかった時期に早々と話を決めて使者を送ってしまったので突然で驚いたかもしれないが、わざわざ謁見をねじ込んでまで問いただされる内容とは思ってもみなかったため怪訝な表情がそのまま表に現れる。そんなピオニーに頓着せず問いを重ねるラクス。仕方なく話を続ける。
「その使者に立たれたのが、ジェイド・カーティス大佐だとも伺ったのですが・・・・?」
「あ、ああ。そのとおりだ。何せ最近まで敵対していた国への使者だからな。
文官を立てようにも適任者がいなくて、だ・・・な・・・・」
あっさりと答えを返そうとしていたピオニーの言葉が途切れる。周りで謁見の様子を見守っていた重臣たちの顔から音をたててちのけが引いてゆく。謁見の間を護る衛兵たちすら寒気を抑えられずに小刻みに震え始めた。彼らの視線を一身に集めながら、ラクスはさらに笑みを深めて言葉を続ける。
「しかも、その使者殿の一行は、よりにも寄って我がマルクト帝国誇る最新鋭の陸上戦艦タルタロスに
乗ってキムラスカを目指している、とも伺いましたわ。・・・本当、のことなのでしょうか?」
続けるが・・・その身にまとう雰囲気が、数分前と180度変化していた。まるで春の花のようだと称えられるラクスの美貌が凄みを帯びる。やわらかく笑んだ唇が紡ぐ声音に冷気が混じる。普段は穏やかで理知的な光を称える瞳が苛烈な輝きを放ち始めた。
「(・・な、なんでだ?!本気で切れ始めてる?!・・・なんかやったか?!俺?!)
あ、ああ、そう、だ。な、何かおかしなことでも・・・・・」
最早威厳を取り繕うどころではないピオニーが辛うじて問いを重ねる。そんな皇帝以下側近連の様子をつぶさに観察したラクスは心の底から落胆しています、とあからさまに示す深いため息をついた。そして冷徹な視線で謁見の間を一薙ぎして、可憐な唇を開いた。
「問題が、何も、ない、と。本気で仰っているのですか?皇帝陛下。
・・・・私、これ程失望したことはございませんわ。
まさか、国同士の和平、という重要な国政を、貴族院全員の承認を得ずに独断で強行したことも。
仮にもこれから和平を取り結ぼうという相手国への使者に、高々左官の、軍人をたてたことも。
その使者が、よりにも寄って、両国間での戦いで、誰より多くキムラスカ兵を殺したジェイド・カーティスであることも。
使者が移動する為に戦艦を使用していることも。
・・・貴族院への根回しもすんでいないのです。キムラスカへの先触れや打診も行っていないのでしょう?
どれもこれも、問題にならなかったらそちらの方が不思議です!
本当に何を考えていたのですか!」
今まで一度も見せたことがない激しい叱責の言葉にピオニーは反論すら思いつかず固まっている。
如何な侯爵といえど、不敬であるといわれても仕方がない態度ではあるが、そんな事を言い出せる人間も一人もいない。だが、ラクスは、ここまで問題点を羅列しても尚、本当に深刻に事態を受け止めているとは言い難い彼らの表情にこそ失望していた。不敬罪で捕えたいというなら好きにすればいいのだ。本気で彼らが理解しないなら見限るだけだ。だが、とりあえずは一つずつ詳しく諭すことにする。決裂するかどうかはその後の彼らの行動で測ることにして話を再開する。
「まず、陛下は独裁がなさりたいのですか?」
「クライン侯爵!それは幾らなんでも、」
「お黙りなさい!私は陛下に伺っているのです。
この態度が不敬だというのなら、話が済んだ後に処分でもなんでもなさい!
今、邪魔をすることは許しません!」
「では、陛下。お聞かせ下さい。」
叱責の激しさから一転して常の穏やかな口調で問われた言葉にたまりかねたゼーゼマンが諌めようとするが、ラクスの眼光に射抜かれて行動を制される。その様を一瞥して皇帝へ問いを続ける。この場を支配しているのは、マルクトの皇帝であるピオニーではなく、本来なら臣下である筈のラクスの方だった。
誰一人、彼女の行為を妨げることは許されぬまま、ピオニーへと視線が集中する。
「そんな、ことはない。
俺は先帝のような強硬な施政をとらぬことを心がけてきたつもりだ。
それは、ラクス嬢もわかってくれていると思っていたが・・・」
「ええ、その通りです。
僭越ながら陛下が即位なさいました折に、若輩のみで在りながら宮廷作法などの教師役を務めさせていただきました。当時からそのお気持ちは推察させていただいておりました。
・・・ですが、私はお教えいたした筈ですわ。
政治とは結果こそが全てであると。お忘れでしょうか?」
「覚えているとも。だが、それが・・」
「では、こちらも覚えていらっしゃいますね。
例え当初の予定通りにいかなくてもその過程が次の政策への糧になるのなら、それも結果のうちである。と。 ですが、例えどれ程努力をしようと、十分な結果を出せなかったのなら、それは全て失敗です。 努力も苦労も当然です。皇帝という地位は、その苦労をするための役職なのです。 どんなに大変な思いをしても、だから失敗しても仕方がなかった、などという甘えは決して許されません。 だからこそ、私たち臣下一同が、陛下をお助けする為に存在するのだと。そう、申し上げました。」
「勿論覚えている。いつも諸兄らには十分助けてもらっている。」
「勿体ないお言葉です。
・・・ですが、陛下はそれをご存じであるにも関わらず、私達貴族院に十分な通達もなさず、意思を確認することもなく、和平という重要な決議を、陛下の独断で強行したと。今回の使者の派遣はそういうことですね。
それが、独裁でなくてなんだと仰るのか、ぜひお聞きしたいですわ」
先ほどのように声を荒げてくれた方がどれ程良いだろうか、と思えるほど優しく穏やかな笑みと声が恐ろしい。彼女の怒りの深さをまざまざと思い知らされたまま返事を返すしかないピオニー。だが、ラクスの言葉に、自分がどれほど彼女らをないがしろにしたのか気付き始めて気不味い視線を泳がせる。それは周囲の側近も同様だった。多少ラクスの言葉から敬意が欠けた処で咎める権利をもっている人間などいない。
「次に。なぜ、使者をジェイド・カーティス大佐に任命なさったのです。
彼は軍人です。キムラスカとの戦闘の折り、直接兵を殺した人間です。
しかも高が左官位の人間に皇帝の名代を名乗らせるなど、正気の沙汰とは思えません。」
「それは・・」
「陛下は例えばご自分のご家族や、親しいご友人を直接殺した敵国の軍人が目の前に現れた時、 冷静に物事を判断できると、自信をもって断言できますか。
・・ジェイド・カーティスを使者に立てるということはそういう事だと理解なさっておいでですか。」
「しかもその軍人が戦艦に乗って、部下の軍人を引きつれて現れた時、和平を結びに来たと言ったとして、そのまま信じることができるのですか? 事前に打診されたわけでもなく、使者が訪れることを知らされてもいない状態で、突然現れた敵国の軍人です。
私なら宣戦布告か奇襲にでも来たと思うでしょうね。
そう考えない方がいらっしゃいますか。」
「ましてジェイド・カーティスは譜術使いとして名を知られておりますね。
敵国の軍人で、譜術の使い手です。幾ら武器を取り上げた処で喉でも潰さない限り謁見した瞬間に自国の王を傷つけないとも限らない。 そのような危険人物を、和平の使者にした、その真意は何ですか?
まさかキムラスカが和平を拒もうと使者を殺す危険性を防ぐため、とおっしゃるつもりではありませんわね。
正式な他国への使者を害せば国としての信用は地に落ちます。
そのような卑劣な真似をする、と初めから疑っているということですか?
でしたら最初から和平などとい手段を用いる理由がわかりませんわ。
素直に宣戦布告でもしてキムラスカを支配するつもりだと仰ってください。」
と、思いついたまま問題点をあげて会話をさせてたんですが、書き進める設定とかと矛盾が出てきて使えなくなりました。な、ラクスvsピオニー陛下の一場面です。
それなりに気に入ってるセリフもあって消すのが勿体なくなりました。すみません。IF番外みたいなものだとでも思ってください。 ・・・これからも没シーンをあげるかもしれません。・・・・すみません。
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書きたい物を書ける時に好きに書き散らしてます。文頭には注意書きをつける積りですので、好きじゃない、と思われた方はこのHPを存在ごとお忘れになってください。(批判とかは本当勘弁してください。図太い割には打たれ弱いので素で泣きます)
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