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*今回はレンとフリングスさんがちょっと仲良しになったきっかけです。
恋愛感情はないですけど、ちょっとピンクオーラ漂ってます。
10のちいさな幸せ
空気が澄んだ、晴れた朝
・・セントビナーの早朝。レンのお散歩。見つけたフリングスが一緒に
「・・・目が覚めちゃった」
カーテンに光を遮られ薄暗い部屋で、レンがぽつりと呟く。セントビナーに滞在を始めて今日で丁度一週間。最初の二三日は駐屯軍の責任者であるマクガヴァン将軍や、元マルクト国軍元帥を務めていた老マクガヴァンを始めとした街の有力者達への挨拶に費やされた。4日目辺りからすこし余裕が出来て、なれない旅で溜まった疲労を癒すための休養に、とラクス達の好意で自由な時間を貰った。ただ休むにしても部屋に篭っていては気が滅入るだろうと、アスランは街の観光案内までしてくれたりした。このご時世に何を呑気な、と言われても仕方がないがつい本当に楽しい時間を満喫してしまった。
そうやって過ごし、そろそろ使節団の方々も準備も終えるかという時だ。本来ならばルークと共に使節団の派遣受け入れ等の話し合いやキムラスカへの報告など雑務に明け暮れるべきなのだろうが、何故かイオンまで一緒になってきちんと休めと命じられてしまった。
「一応報告書は書ききったし、ルーク様の分まで含めて準備は終わらせたし、挨拶とかの漏れは・・ない、よね?」
それでもこれだけは、といって最低限の仕事は終わらせた。何のためにカイトやガイがいるんだ、とルークは苦笑していたが。一通りの仕事を終えて、後は出発まで使者殿と何度か打ち合わせる位しかやることがなくなってしまったのだ。
元々レンもルークも突発的な事故で来てしまった予定外の客である。本来マルクト側も準備を完全に終えてから出発して、顔を合わせるのはキムラスカに入国した後の筈だったのだから、キムラスカ側の人間に現時点で使者の出発に関しての準備でやるべきことがあるわけがない。今いるのがキムラスカ国内であるならともかく、マルクトでやれることなど限られている。
「・・・・後は出発準備が完了するまで、休む位?・・ラクス様にもアスラン様にも申し訳ないけど・・」
見えないところで色々な雑事に忙殺されているだろう彼らのことは気になるが、こればかりは”見ないふり”が一番の気遣いだとわかっていた。だから表向きの、”休養”という名目を受け入れて体力を温存することに努めるべきなんだろう。勿論マルクトの方々との交流などに手を抜くつもりはないが、予定がない時間はできるだけリラックスしておくのが正しい過ごし方である。
「・・・ああああ!今思い出しても、私の馬鹿さ加減に本気で殺意が沸く・・・!!
あの場で不用意に口を開くってどういうこと?!」
リラックス、という言葉に連想して、気を緩めるあまり、三国の貴人が集う場面でうっかり零した己の言葉を思い出してもだえる。
「ありえない!本当に、ありえないから!!
・・・ルーク様、すみません!!キラ兄さんもシュザンヌ様も申し訳ございません!」
ルークもイオンも笑って許してくれる所かフォローまでしてくれた。ラクスもアスランも見なかった振りで気に病まずに済むように振舞ってくれているが、レンは今でもあの瞬間の自分を張り倒して穴に埋めてしまいたいと思っている。・・・下手すればキムラスカの貴族社会の教育精度が疑われる行為であった。レンにいろいろなことを教えてくれた二人にも、実年齢七歳であるにも関わらず非の打ち所のない王族としてたつルークにも申し訳なさ過ぎる。彼らの面子に傷をつけるなど許されてはならない失態である。
「今回は、皆様のお優しい心で見逃していただけたけど・・・・ううううう~~~、
・・・駄目だ、一人で考えてると思考がループしそう。」
同じ間違いを正式な場面でしなければ良いだけだから気にするな、といってくれたルークとイオン。その二人の前で何時までも引きずっていてはまた心配させてしまう。
「・・・気分転換に、散歩とかしちゃ駄目かな。」
カーテン越しに清らかな朝の光が満ちる外の様子を窺う。くれぐれも不寝番などするなとルークとカイトとイオンにまで口を揃えて念を押されてしまったので昨夜は早めにベッドに入ったのだ。今はカイトがルークについていることだし、と思ったら緊張が解けたのか久しぶりに熟睡してしまった。お陰でいつもより更に早い時間に目が覚めてしまったが、とても心身が楽だった。それに、この街はとても豊かな緑が溢れていて、それを近くで見てみたいと思ったのだ。自分の今の立場でふらふらと街中を歩くわけにはいかないが、
「・・フリングス侯爵に案内していただいた時は、・・・失敗しないように緊張してて周りを見てる余裕なかったんだよね、実は。 ・・・・・・・屋敷の庭を見せてもらうくらいなら失礼には当たらない、よね?」
思い立ったらどうしても外を歩いてみたくなったレン。てきぱきと着替えて、続き間に控えてくれているメイドさんに顔を洗う支度をお願いする。はっきり言ってこういう”お嬢様”扱いには未だに慣れきらないが、”公爵令嬢”として生きている以上必要なことだと自分に言い聞かせる。
「(・・・でもこれ、身分詐称、なんだよね・・・。
キラ兄さんには感謝してるけど、・・ちょっと無理があると思うよ。私に貴族のお嬢様なんて。)」
キ
ラと家族になれたこともハルマさまやカリダ様のような優しい両親が出来たことも嬉しいが、本来レンは只の庶民だ。しかも戸籍がないどころかこの世界の人間ですらないのである。それを思い返すたびに申し訳なさで身が縮む。だが、もう世間にはヤマト家の娘として認識されてしまった以上、最後までそう通すしかない。
「(嬉しいけど、・・・・無茶するなあ、キラ兄さんも。)」
それに、レンの過去を知っている唯一の人間であるキラと今更引き離されるのは、怖い。だから、罪悪感を抱きつつも殊更偽りを隠す努力は惜しまないレン。このこともあんまり考えすぎると、誰かにばれる、と思って思考を動かす。一応の嗜みとして表情を繕ったりすることも学んだが、ルーク達に言わせるとまだまだどころかわかり易すぎると酷評される。
「・・・・(やっぱり、私じゃ無理があるよね・・・)・・ううう、やめやめ!
早く散歩に出かけよう!折角セントビナーに来れたんだから!」
笑顔で身支度を手伝ってくれたメイドさんにお礼を言って部屋を出る。勿論ルークの隣部屋に控えているカイトへ挨拶も忘れない。ルークはまだ寝ているだろうから言付けを頼むためだ。
「じゃあ、少しお散歩してくるね?」
「はい!いってらっしゃいませ!」
いつも元気がいいなあ、と思いながら外に出る。メイドさんに聞いたら自由に見てまわる許可もくれた。屋敷の持ち主である将軍や、自分たちのいまの招待主ということになっているラクス様から便宜をなるべく図るようにいわれていたらしい。親切をありがたく受け取って綺麗な庭に降りる。
「・・・・やっぱり、此処の土地は豊かなんだなぁ。
植木もだけど、小さな草花一つ一つが生き生きしてるもん。」
うきうきと歩く。エンゲーブでも思ったが、マルクトの土地は本当に豊かだ。
「あ。あの花って去年バチカルで人気がでたものじゃないかな?へえ、こうやって群生するんだ。キムラスカの土地では自生しないから鉢植えで売ってたんだよね・・・可愛い。」
この屋敷の庭は基本的に自然の風景を残す感じで手入れがされているらしい。まるで何処かの野原や森を切り取って持ってきたような風景だ。あくまで庭であるから本物の野道よりも遥かに歩きやすく整えられているが。
「あれ、上にあるのって・・・メジロ?の巣かな・・・こっちの世界での呼び名は何だっけ。・・似てると思ってそっちの印象しか覚えてないんだよね。」
鳥の鳴き声に頭上を見上げると小鳥の巣がある。茂る葉の影で忙しなく雛が親鳥にえさを強請っているのが可愛い。
「わあ、泉まであるんだ。・・こういうところもバチカルと違うな~。あっちは土地が広く取れないから、どの家も庭の広さも屋敷の大きさも限られてるし。・・・いや十分すぎるくらい広いけどね。」
だがマルクトの住宅は、一般の平民の住居に至るまで個人の自由で広さを調節できるようだった。もちろん資産などの兼ね合いもあるだろうが、バチカルのように規制が必要になることは無さそうだ。お陰で公共施設に付随する広場なども開放感溢れるつくりで誰でも綺麗な場所を自由に利用できるらしい。こういうところもマルクトの豊かさの象徴だろう。
「(でもでも、これから皆で頑張っていけば、直ぐにキムラスカももっと皆が快適に過ごせる国になるはず!)」
早く預言を妄信している国政をなくして、身分が低い人達がバチカル最下層の譜業設備の隙間に追いやられるような事がないような政治をしたい。いやレンに出来るのはその手伝いていどだが。今もキラやルークが少しずつ公共施設を整備して教育機関を立て直して国民なら自由に利用できる体制を整えているが、やっぱりまだまだ手が届ききっていないのだ。一時的な施しでは意味がないため恒久的に施設を維持できるように体制を作るには時間がかかる。
「(・・・今はまだインゴベルト陛下たちの目を気にしなきゃいけないから尚更上手く進められないんだよね・・・)」
うう、と唸る。キラやルークの手伝いが出来るように、と勉強している所為か何を見ていても思考が偏る。あまり能力が高くない自覚があるから尚更だ。
「(・・・ルーク様ってつくづく凄いなぁ。私も大体同じくらいの年数同じ勉強してたはずなんだけど。・・・てか”過去”では中学二年まで普通に勉強してたんだから基礎学力の土台がある分もっと出来ても良いはずなんだけど・・・情けない・・・!!)」
がっくりと項垂れるレン。たった七年間で、言葉の読み書きから始めたルークが今ではキラと同等の能力を発揮して施政に関わっている事を思うと、何処までも己が情けなかった。何故かこの世界に来た時に身体が幼くなったため実年齢+α分の年月を生きているはずなのに・・・。
「も~~~~!とにかく頑張るぞ!!」
「~~~~~~っ、ぷ、」
再び沈みそうな気分を浮上させるために気合を入れてみる。と、、背後から小さく噴出す声が聞こえた。自分の中で思考を巡らせるのに夢中になりすぎて人の気配を気にすることを忘れていたのだと思い至って全身が硬直する。
「え、」
「ふ、ふふふふふ、~こほっ、ふふふふ」
ぎりぎりと音がしそうな位ぎこちなく首を巡らせると、そこにいたのは、
「ふふふ、・・お、おはようございます。レン殿。」
「・・・・おは、おはよう、ござい、ます。・・・・・フリングス侯爵・・・・////!」
なんとかいつもどおりの穏やかな笑顔で挨拶をくれるフリングス侯爵が、それでも隠しきれない笑いに肩を震わせている。慌てて姿勢を正しつつ挨拶を返す。慌てすぎて舌を噛んでしまった。ちょっと痛い。いやそれよりも。
「(なななななな・・・!何時から?!いえ、どこから聞かれてたの!!いえいえ、それより今の行動を少しでも見られてたなんて?!)
お、お早いんですね。きょ、今日は、ええと・・・とてもよい天気でっ!あ、あの、」
ぎこちなかろうとなんだろうと必死に笑顔を浮かべて普通の会話を!と意気込みすぎて再びどもる。だが気にしている余裕はない。
「ふふふ、すみません。失礼でしたね女性を見て笑うなど」
「い、いえいえいえ!すみません !こちらこそ勝手にお庭を歩いたりして!」
「ああ、それは気にしないでください。
ご自由に過ごしていただけるように家人には伝えておいたはずですし」
「は、はい。・・・私に着けてくださったメイドと警備の方には許可していただきましたが、」
真っ赤な頬で視線を彷徨わせるレンを可哀想に思ったのかフリングス侯爵がなんとか笑いを収めてくれる。だが、穴に埋まりたい心境再び。いや今はある意味自由時間。こういう場合の会話は確かに外交の一環でもあるが、礼を失しない程度にある程度の親しさを込めてにこなすことが正しい社交術というものだ。・・・しかしレンにとっては至難の技だ。どうやってこの場を逃げ出そうかという思いに支配されて足が下がりかける。
「(もういっそ、このまま走り去りたい・・!!)ええ、ありがとうございました。とても綺麗なお庭なので近くで見てみたくて、その、」
「ええ、じつは私も早くに目が覚めてしまいまして、折角だからと散策していたらレン殿のお姿を見かけたので少しお話でもさせていただこうかと思ったのですが。」
「・・・///!あ、あの!先程はお恥ずかしい所をお見せして、」
もう無作法だろうとなんだろうと正面きって謝ってしまえとまで思いつめたレンが頭を下げかける。だがそれをさり気無く制してフリングス侯爵が微笑んだ。
「おや、まさか。恥ずかしいなんてとんでもない。とても可愛らしい様子でしたのでつい見とれてしまったのですよ。 こちらこそ、もっと早くにお声をかけるべきでしたね。申し訳ありませんでした。」
「~~~~!///(なんでこんな恥ずかしい台詞をさらっと!)いえ、そのこちらこそ気づかずに失礼しました・・」
恥ずかしさが突き抜けて脱力するレン。もうどうにでもなれ、という心境で力なく微笑む。それを見て、本気に取っていないことを察したらしいフリングス侯爵が更に笑みを深めて重ねて言った。
「レン殿はご自分の魅力に気づいていらっしゃらないのですね。先程失礼ながら見せていただいた時のくるくると変わるご自由な表情はどれも生き生きとしていて此方まで嬉しくなるくらいでしたのに。なにか、良いものをごらんになったのでしょうか?」
「(~~~~なに?!貴族階級のひとってこういう台詞をぽんぽん口にするための技能でも標準装備でついてるの?!) あ、いえ、大したことではないのですが、」
「宜しければ、私にもその喜びを分けていただけませんか」
きらきらしている。レンにはまぶしすぎるフリングス侯爵の笑み。
「(うわあ、)ええと、その、マルクトは土地が豊かで羨ましいな、と」
「ありがとうございます。」
「そのためか、栽培されている種類から野草に至るまでとても元気が良くて、見ていて気持ちが良いですし、」
「はい。」
「あちらで見かけた花などは、バチカルで販売された時とても人気がでた品種なのですが、自生するところを見たのは初めてで、」
「そうなのですか?」
「ええ、花屋さんは注文分の品物を確保するために大変だったみたいですよ。私はその時はあまり興味がなかったのですが、自然に咲いているのを見てとても綺麗な花だと思って少し見とれてしまいました。やっぱり鉢植えよりも、こういう風に咲いている姿のほうが好きですね。後は木の上に小鳥の巣も見つけたんです。親鳥に我先にとえさを強請る雛が可愛くて。」
「ああ、私も見かけましたよ。親御さんは皆大変ですよね。」
「ふふ、そうですね。・・・それで、」
フリングス侯爵が余りにも嬉しそうに相槌をうってくれるので、ぎこちなかったレンの口調が滑らかになる。先程散策中に見かけた”良いもの”の事を夢中になって喋ってしまった。途中で笑い声まで漏れた。その様子に、ますますフリングス侯爵の表情も柔らかくなってゆく。
気がつけば、普段起床する時刻所かもう直ぐ朝食が用意される時間までつき合わせてしまった。
「すすすすみません!つい夢中になってしまって!
あの、何かご予定があったのでは、」
「いいえ、こちらこそ長い間お引止めして申し訳ありません。
レン殿のお話を聞いたからでしょうか、何気ない景色が一段と輝いて見えますね。
とても楽しくて時間を忘れてしまいました。」
「ええ、と。・・光栄です。・・私も、楽しかった、です。ありがとうございましたフリングス侯爵」
赤面再び。今日何度目だ。だがフリングス侯爵の台詞は何度聞いても慣れないと断言できる。なんだ、この恥ずかしい台詞のオンパレード。
「(天然?!天然なのね?!・・こんな台詞を言いながら全くの自然体って・・・)それでは、」
「ああ、そうだ。レン殿。」
「はい?」
そのまま連れ立って屋敷の入り口まで戻る二人。もう直ぐ朝食なのだから、身支度をして食堂に向かわねばならない。だが別れる直前、フリングス侯爵がレンを呼び止めた。
「あの、もし宜しければ、私の事は名前で呼んでくださいませんか。」
「え?あ、あの、ですが」
「これからキムラスカまでご一緒するわけですし、もっと親しくお話させていただきたいと思いまして。・・・駄目、ですか?」
心持自信なさ気な光を浮かべてこちらを真っ直ぐに見るフリングス侯爵にレンが視線を泳がせる。
「その、私如きが侯爵のお名前を呼ばせていただくわけには、」
「・・そう、ですか。」
「す、すみま、」
「では、こうしましょう」
肩まで落としたように見えた侯爵にあわてたレンが言葉を継ごうとすると、再び顔を上げた侯爵が続けた。
「せめて、余人の居ない・・そうですね、今日の様な場合とか、お部屋の中とか、キムラスカに向かう時に乗る馬車の中とかでしたら如何でしょうか?」
「ええええ?・・あの、」
「そうですね、そうすればレン殿も気になさる必要はないでしょう?・・・ルーク様やイオン様とはもう親しくなさっているようなので、私も仲間に入れていただけたら、とおもっていたのです。」
名案だ、とでもいうようにうきうきと話す。それを見ていてレンの肩の力が抜ける。
「(・・・その位なら、大丈夫、かな?)ええ、そうですね。ではお言葉に甘えさせていただきます。アスラン様」
「・・はい、ありがとうございます。では、またお話いたしましょうね。」
「はい。お付き合いくださってありがとうございました。ではまた後ほど、お会いしましょう。」
眩しい笑顔に見送られて部屋に戻る。扉を閉じた途端力が抜けて床に座り込んでしまった。
「~~~~////、うわーうわー、一生分の恥をかききった気がする!!もう、ホント、穴に埋まって一生表にでるのやめよーかな・・・」
茹蛸どころではない。限界まで血が上りきって湯気まで噴出しそうなレン。自分を落ち着かせるのに夢中で、窓から現場を目撃していた隣の部屋の住人達が繰り広げた修羅場には気づかなかった。
「・・・・放してくださいルーク様!!レン様がレン様がーーー!」
「いやいやいや、落ち着けカイト。気持ちは分かる、あ、いやいや・・・相手はマルクトの侯爵だ。しかもこれから和平を結びに来てくれる他国の使者だぞ!レンだって公爵家の娘なんだから、あの程度の事はこなすことも必要だって、」
「ルーク様だってカップ握りつぶしてたくせにーー!」
「ちょ、ちょっと動揺しただけだ!!いいから堪えろ!」
「レン様がマルクトにお嫁に行っちゃったらどうしてくれるんですか!!」
「縁起でもねぇこと言うな!!死んでも許すかそんなこと!!」
「じゃあ、やっぱり邪魔しに行きましょうよ!」
「・・・は!いや落ち着け俺!・・・待て待てカイト!
ありゃ只単に偶然行き合ったからおしゃべりしてみただけだろ!大した意味なんかねぇよ!」
「すごい説得力ないですルーク様!
・・冷や汗でてます!!気になってるでしょ?!ね、ね!?」
「うるせぇ!!いいからお前は動くなーー!!」
物凄いど修羅場だった。・・・・ご主人様至上のミュウが、怯えてルークから距離を置いてしまうほどに。
「みゅうぅぅ~~~~でも、僕もレンさんがどっか行っちゃうのはいやですの~~」
・・・既に朱に交わっていたらしい。怯えではなく、単に暴れる二人の被害から避けているだけか。
意外と冷静だったチーグルの子どもが呟いた。
「でもでも、レンさんが幸せなら、僕も嬉しいですの!」
「「それは俺も(僕も)同じだ(です)!!」」
セントビナー滞在一週間目の早朝の出来事だった。
*すみません。文中のアスランの敬称ですが、代々爵位を継ぐ家系の出の場合は名前に卿をつける、という決まりに従って呼ばせて見てたんですが、レンのセリフでその呼び方に違和感を感じて仕方がないので、無難に様付けに戻します。申し訳ありませんでした。
03 | 2025/04 | 05 |
S | M | T | W | T | F | S |
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書きたい物を書ける時に好きに書き散らしてます。文頭には注意書きをつける積りですので、好きじゃない、と思われた方はこのHPを存在ごとお忘れになってください。(批判とかは本当勘弁してください。図太い割には打たれ弱いので素で泣きます)
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現在の拍手お礼:一ページのみ(ティアに厳しい。ちょっと賢く敵には冷酷にもなれるルークが、ティアの襲撃事件について抗議してみた場合:inチーグルの森入り口)