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主人公総受け至上主義サイトです。特にエ/ヴ/ァの・碇・シ・ン・ジ・の女体化verが贔屓されてます。EOE後女体化したシンジが他世界へ渡る設定のクロス作品がメインです。(で、他作品キャラに物凄く愛されてます。)
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ジャンル:リボーン スレツナ設定:分岐小話です。

リボーン・ヴァリア・家康・九代目に厳し目表現が入ります。
御嫌な人はお読みになりませんよう、お願いいたします。


とある夜。黒曜戦を終え、やっと訪れた平穏をぶち壊しに来た襲撃者たちと初めてまともに顔を合わせた日。

ボンゴレ門外顧問を名乗る実の父親から渡された九代目からの勅命書とやらを読み上げられながら、綱吉は気弱な仕草で顔を俯けて無言のまま周囲の会話を聞いていた。

その様子を嘲笑を浮かべて見下ろすヴァリアーの面々と、綱吉に心配そうな気配を向けながらも相対する襲撃者たちへあからさまな敵意を向ける獄寺や山本達。無言で成り行きを見詰めるリボーンに、取り仕切るの宣言どおり勝負を取り付けようとする家光。


彼ら全ての関心が己に向けられているのを感じ取りながら綱吉は

----無言でぶち切れていた。


誰が考えても当然だ。ある日突然予備知識も無くマフィアの次期後継者へ強制的に指名され、(しかも問答無用で銃を向けての脅迫である)次から次へと訪れる刺客に騒動(しかもそれらの八割どころか99%がリボーンの策略ときた)。マフィア界すら追放されたという触れ込みの凶悪犯の相手を強引にさせられたと思ったら、その戦いでは友人たちが実際に命の危険に晒される始末。 

しかもその戦い自体が、マフィア同盟や掟の番人である復讐者たちの怠慢の尻拭いとしか思えない後味の悪い物だったというなら尚更である。 そもそも骸たちはその非道なマフィアに理不尽に囚われていた被害者だ。骸たちが追われる原因になった最初のマフィアの壊滅事件は、被害者が生きる権利を手に入れる為に加害者を撃退しただけのことだ。その課程で危険な能力が開花しようと、それは非道な実験を取り締まることも出来なかった無能な管理体制の不手際でしかない。非道な人体実験を行ったマフィアを取り締まれなかったのは一体誰だというのか。マフィア界の掟の番人とやらが笑わせる。 その後の骸たちが世界大戦を起こそうとまで思い切り、マフィアだからという理由だけでランチアのような第三者を非情な方法で巻き込んだことに対しては確かに綱吉から見ても許しがたいことではある。 だが、骸たちを問答無用で監獄に繋いで存在すら蹂躙する権利があるなどという思い上がりが素晴らしく不愉快だった。

そして、この騒ぎである。

ここまでの経過を思い起こせば、綱吉の短くは無い堪忍袋の緒をぶった切り、多少シビアで冷酷で人間不信の気があるといっても基本的には大らかで寛容な綱吉の心を持ってしても許容しかねるというものだ。それでも、せっかく之まで隠し続けてきた素顔を晒すことはぎりぎりで踏みとどまった。

そう、”ダメツナ”としての生活は、元々平穏な日常とありふれたささやかで幸せな未来の為に、と綱吉が作りあげた仮面であった。 多少不便なこともあるにはあったが、それでも自ら望んで行っていたことである。  綱吉は幼い頃に一度だけではあるが、ボンゴレの血統者の存在を疎ましく思った者から命を狙われたことがあるのだ。 イタリア最大のマフィアボンゴレに所属する父親と、よりにもよって引退後の隠居先をご丁寧に記録として残した先祖の間抜けさお陰で、遠縁ながらボンゴレ直系の血を引くことを知られたことが原因の襲撃だった。(己がボンゴレ直系の血を引くことを暴露した父親もだが、特殊能力を重要視するボンゴレの血統についての情報をうかうかと残した初代とやらの行動も本気で忌々しい限りである。その所為で自分の平穏な生活が壊されたのだ。) 

当時マフィア界を賑わしていた騒動に託けて計画された襲撃だったため幸運にもその一度だけで撃退した事実すら露見せずに済んだ。 だが、綱吉にとってはその後のことの方がはるかに面倒な事態であった。 その忌々しい事件によって、素晴らしく面倒な血統の意味を思い知らされ、その特殊能力に目覚めてしまったのだ。 力のお陰で取りあえずの危険は脱した。 同時に”それ”を表ざたにすればさらに危険な状況に陥ることも理解してしまった綱吉は、己の身を守る為にあらゆる知識と技能を修得せざるを得なかった。

かといって馬鹿正直に堂々とそんな優秀さを表沙汰にすれば更なる危険を呼び込むだけである。ならば、年相応の無害な子どもを演じるべきであるという結論は簡単に出た。

・・・・そこで問題が発生した。有体に言えば、その適度というものが良く分からなかったのである。元々は年相応の子どものレベルに抑える演技力を身に着けようと思っていたのだ。だが、それが出来なかった。ならば、と、とにかくあらゆる面で手を抜きまくったのだ。 そして出来上がったのが、” ダメツナ ” の仮面である。

これまでは、不本意極まりない数多の騒動すら、リボーンの特殊弾の効果を利用してなんとか実力を隠し通したまま事態を終息させてきた。だが、今回ばかりは本気で限界を感じつつあった。・・・特に忍耐力と自制心が。 

 

(ざっけんな、ざっけんな、ざっけんな!!
 なんで次から次へとこんな厄介ごとばっかり起こるんだ?!
 やっと平穏な生活に戻ったと思った矢先にこれかよ!!
 しかも、いまさら相応しい後継者ぁ?だったら最初から指名しろよ!!
 しかも俺を指名したのが親父だってのはどういうことだよ!!
 余計な事しやがって、この爺!!)


そしてさらなる乱入者--チェルベッロの二人による、互いの陣営同士で命がけのリング争奪戦の決行宣言である。内心で文句を連ねることで何とか平常心を保とうとしていた綱吉も、その瞬間己のどこからかが、ぷつり、と切れる音を聞いた。そんな綱吉の変化にも気付かず踵を返して帰ろうとするチェルベッロとヴァリアー達。その時。

 


どごぉ!!


凄まじい破砕音が響き渡った。
咄嗟に何処からのものか理解できず訝しげに周囲を見回した面々が、そろそろと視線を集中させる其処には


「---- っけんなよ。」


いつの間にか両手にごついグローブを装備した綱吉が、顔を俯けたまま背後のコンクリートを粉砕している姿が。存在すら希薄な程に押さえ込まれた静かな気配に、言い様のない不安を感じつつ最初に気を取り直した家光が恐る恐る声を掛ける。・・完全に腰が引けてはいたが。


「な、なんだ、どうしたツナ?」


家光の問いなど意識の欠片すら向けず静かに顔を上げる綱吉。
その姿をみて、皆思わず後退る。ヴァリアーのメンバーすら。


その額には灼熱の炎が燃え盛り、何時もは様々な感情を映す琥珀の瞳には金色の光が輝く。


---- ブッラド・オブ・ボンゴレ が覚醒している----- !!


「ばかな!小言弾なしに、だと---?」

「おいリボーンどういうことだ。そんな報告はうけてねぇぞ」


さすがのリボーンも驚愕を隠せず思わず呟いて綱吉を凝視する。そんなリボーンへ小声で訪ねる家光。だがこれは完全な想定外のことだ。ただ見守るしか出来ない。何よりも静か過ぎる綱吉の得体の知れない気配が、己の勘に警鐘を鳴らさせる。迂闊に動けば何があるか分からない。

山本も獄寺も了平も、その豹変した姿に驚きながらも特にうろたえることなく無言で見守る。 三人にとっては今更綱吉がどのような変化を見せたところで”綱吉”である事は変わりない。初めて”死ぬ気”モードの綱吉を見てもどうじなかった連中である。特に警戒する素振りも見せないどころか、獄寺をはじめ三人とも常以上の信頼と尊敬を込めた視線で綱吉を見つめている。 僅かながらも狼狽して緊張を見せる家光とリボーンとは対照的な姿であった。

そこで、綱吉が口を開いた。

 

「 ---- ふざけんなよ、お前ら。
 誰が何時マフィアのボスになりたいだなんて言ったよ?
 俺は何度も何度も何度も厭だっていっただろうが!!
 それを無視してあからさまな脅迫で無理やり指名しやがったのはそっちだろう!!

 それを今更より相応しい後継者ぁ?
 ざっけんな!!そんなのが居るなら最初から指名しやがれ!!
 いままでリボーンが教育のためとか抜かして持ち込んだ騒動でどれだけの人が傷ついたと思ってんだよ!!

 しかも、俺を指名したのが親父だと?!本ッ気で死ねよアンタは!!
 今の今までマフィア関係者だってことすら隠してたくせに、
 何も知らない息子にアンタの価値感を押しつけんじゃねェよ!!
 アンタが誰に忠誠を誓おうが命を賭けようが好きにすればいいさ。
 だがな、それはアンタにとってどれ程価値があろうと俺にとっては迷惑以外の何者でもないんだよ!!
 俺は俺の望んだ生活があったんだ!!それを見事にぶち壊しやがって・・・!!!」

 

大声ではなかったが、聞くものの心を切り裂くような鋭さを秘めた声。
口を開くと同時に解放された裂帛の闘気が辺りを包み、問答無用で周囲を従えさせるような重厚な威圧感で皆の動きを封じ込む。誰一人身動きすら取れずに綱吉の行動を見守るしか出来ない。

言ってる内に怒りが煽られたのか、更にきつく握り締めた拳が炎を纏う。対骸戦で絶大な威力を発揮したハイパーモードの死ぬ気の炎。しかもその威力が一見しただけで数倍は跳ね上がっている。その身ごなしも普段の綱吉からは考えられないほど隙が無く、リボーンですら勝負を仕掛けるのが難しい。ヴァリアーのメンバーは言わずもがなである。

様々な思惑を乗せた視線が集中する中、唐突に気配を鎮める綱吉。といっても沈静したわけではなく、限界まで引き絞られた弓のように危険な雰囲気。不本意ながらも命の危険を感じているのは、敵対しているヴァリアーと、同陣営でありながらあからさまな敵意を向けられた家光である。それでも、本職マフィアとしてのプライドで反論を試みるザンザス。


「沢田綱吉!てめぇ何言ってやがるっ!!」
 
「・・・なにって?言ったとおりだよ。聞こえなかったの?
 まあ、理解できなくてもいいよ。やることは同じだしね。」


あっさりとあしらわれるザンザス。常からはとても考えられない姿だ。
綱吉はザンザスになど一瞥もくれずにリボーンと視線を合わせる。
リボーンは流石の自制心で冷静さを取り戻し、事態を把握したようだ。どこか悔しげに綱吉を見て口を開く。

 

「・・・・今までのだめっぷりは、全部演技だったというわけか。よく隠し通せたもんだな。」


「へぇ、リボーンでも驚くことがあるんだ。珍しい物見ちゃったな。
 でも、其れに関して言えばとやかく文句垂れる資格なんか無いからね。父さんもリボーンも。 
 こんな忌々しい能力なんか百害あって一利なしじゃないか。
 隠さなきゃ今頃障害として殺されてたんじゃないの?
 ドン・ボンゴレの命令は絶対なんだろ。・・・ねぇ、父さん? 」


リボーンの言葉に冷たい嘲笑を浮かべる綱吉。続ける言葉は絶対零度の冷たさだ。リボーンの傍らに立ち尽くす家光へも温度を感じさせない瞳での一瞥をくれる。皮肉に満ちた息子の言葉に反論する術も思いつかずに口ごもる家光。 確かに既に能力を開化させていたことが早くに判明していたら他の後継者からの刺客は言うに及ばず、危険分子とみなされて殺害を命じられていた可能性は十分にあったのも事実だ。そうなれば、どれ程悩んだところで自分は九代目への忠誠をとっただろうことも想像に難くない。言い訳など、出来るはずも無かった。

 

 
 「・・・・俺はね、本気で頭にきてるんだよ。
 散々人の意思を無視して厄介事ばかり押し付けやがって。

 しかもファミリーだなんだと山本達まで巻き込んで。
 確かに山本や獄寺君達と親しく慣れたのはお前の起こした騒動が切っ掛けだったさ。
 そのことには多少感謝してるよ。初めて出来た親友だからね。

 けどね、それとこれとは話が別だ。
 いっとくけど、俺から見たら二人もヴァリアー達と同罪だから。
 まぁ一番の原因は九代目の爺だけど、老人だっていうからね直接制裁するのは控えるさ

 ------ じゃあ、覚悟はいいね? 」

 

 


30分後、優雅な仕草で服の埃を払ってみせる綱吉の前には、累々と積み上げられたぼろぼろの男たちの姿。当然のように家光も一緒に転がされている。未だ赤ん坊であるリボーンとマーモンは大きなタンコブ一つで見逃されてはいたが、本気で反撃したにも関わらず綱吉に傷一つ付けられなかった悔しさに身を震わせている。

最早興味も失せたとばかりに踵を返した先には、呆然とするバジルと、尊敬する十代目の雄姿に瞳を輝かせている獄寺と、満面の笑みで綱吉が戻るのを待ち受ける山本と了平の姿が。そんな彼らに苦笑を浮かべる綱吉。 内心で変わらぬ態度で居てくれる友人たちに喜びながら、ゆったりとした足取りで歩み寄る。

 

「-- ごめんね、獄寺君も山本もお兄さんもバジル君も。吃驚させちゃって。大丈夫かな?」

「じゅ、十代目!!素晴らしかったです!!
 あのヴァリアーの野郎共をあっさりと沈めるなんて!!」

「いやー、ツナって強えーのな。すげぇじゃんか。俺も負けてらんねぇなー。」

「極限凄いな!!流石だぞ沢田!!」

「あ、えぇ、はい!!お気遣いありがとうございます!!
 流石綱吉殿ですね!!アルコバレーノのお二人すら抑えるなんて!!」

「はは、ありがとう皆。じゃあ、もう遅いし帰らないとね。
 ・・・ ああ忘れる処だった。少し待っててくれるかな?」


穏やかな笑みで訊ねる綱吉にそれぞれの答えを返す。満面の笑みで綱吉を称える4人に嬉しげに応えてから流麗な仕草で振り返る。その姿はまるで美しい獣のようにしなやかで、威厳に溢れた立ち姿は見る者の視線を惹きつける。そして今まで完全な外野扱いで無視していたチェルベッロの二人と、地面の上で呻く男達に向かって艶然とした微笑を浮けべ、冷たい声音で言い放つ。

 

「じゃあ、そういうわけで帰るから。
 皆に危害が及ばないなら、後は好きに納めてくれてくれて構わないよ。
 今更言うまでも無いとは思うけど。
 命がけのガチンコバトルなんてふざけた催しに参加する気なんか欠片も無いから。 

 ああ、ザンザス?俺が後継者に相応しくないっていう意見には大賛成だよ。
 っていうかボンゴレリングも次期後継者の椅子も心底如何でもいいしね。
 むしろ熨しつけて進呈するよ。これで厄介事が消えてくれて万々歳ってね。
 
 じゃあ、リボーンも父さんも後はヨロシクね。
 無いとは思うけどあんまり駄々を捏ねる様なら次はこんな物じゃ済まさないから。
 
  じゃあ、Buona sera! 」  

 


言い終えると同時に皆の分のリングも合わせて投げ渡して踵を返す。言われた内容は慈悲の欠片も無いものであったが、冷然と言い放つ綱吉の王者然とした姿に、屈辱に身を震わせていたはずの男たちの視線が変わる。 だがそんな些事に気付くことなく立ち去る綱吉は、少し先で待たせていた4人の下に小走りで追いつくと賑やかに笑いあいながら帰っていく。後に残されたのは、痛みに呻きながらも遠ざかる背中を追いかける男たちと、無表情ながら呆然としたチェルベッロの二人と、座り込んだまま綱吉の後ろを見詰めるアルコバレーノの二人。

その後我に返った彼らは、それこそ死に物狂いでボンゴレ内のごたごたを片付け九代目へと執り成し反対勢力を押さえつけ、綱吉曰くの ”ふざけた催し” であるガチンコバトルを中止するに至った。

こうして、ぶち切れた綱吉の ” 説得 ” によってボンゴレリング争奪戦はお流れになった。

 

 

 


・・・・・その後どうなったかというと。

 

 

 

とある平和な日曜の朝。気持ちの良い快晴の空に響き渡るのは

 

「やっほーー!!ツナちゃーん。遊ぼーぜ!!」

「てめぇっイカレ王子が!!十代目に近寄んじゃねぇよ!!」


ベルフェゴールの陽気な声と邪魔者を威嚇する獄寺の怒声と。

 

「やっほーーツナちゃん♪ 今日も可愛いわね♪
 せっかくいい天気だし一緒に買い物でも行かない?」

「沢田ーー!!今日も絶好のボクシング日和だぞ!!
 一緒にロードワークに行かんか!!」


朝から全開パワーでお誘いをかけるルッスリーアと了平の晴天コンビと。


「ツナー今日の昼飯家に食いにこねェ?親父が寿司握ってくれるってさ」

「うお"お"お" い 、今日の夕飯は任せろぉ"!!豪勢なイタリア料理を作ってやんぜぇ」


一見普通に見えて何処までもマイペースな山本と、ゴーイングマイウェイな暴走野郎にみえて実は苦労人なスクアーロの料理人コンビと。(スクアーロはヴァリアーの食事係(別名パシリ)で一番料理が上手かったのである。)

 


「おい、沢田綱吉。ちょっと付き合え」


無駄な威圧感を醸し出しながらレヴィとゴーラを従えて誘いをかけるザンザスと。

 

「ツナヨシ、疲れたから抱っこ」

「おいマーモン何してやがる。
 俺の餌食に勝手に触るな守銭奴が。さっさと金儲けにでも出かけろよ」


赤ん坊の外見を駆使して綱吉に甘えようとするマーモンと、素直になりきれず取りあえず妨害するリボーンと。

 

「お~~い、ツナ~~!!今日はパパと一緒にマグロでも釣りに行かないか!!」

「綱吉殿!!僭越ながら、拙者もお供いたします!!」


必死に息子とのコミュニケーションを取ろうとする家光と相変わらず直向だが少しずれているバジルと。

 


「ツナ~~~今日はランボさんと遊べ~~!!」

「♪*○#$&!?@!!」

「ツナ兄~~偶には一緒に遊んでよ!!」


大好きな兄にじゃれ付いてくるちびっ子達と。

 

「あらあら、今日も皆元気ねぇ。ツッ君たらお友達が沢山出来て母さん嬉しいわ~♪」


呑気な母親の言葉。 そして

 

「~~~~~~~~~~~っ!!
 あ~~~もう、うるさ~~い!!たまには静かな休日を過ごさせてくれよ!!」


日曜の早朝にありえない大人数による騒音で起こされた綱吉の魂の叫び。

この騒ぎの原因は。
何を思ったのか飼い主にじゃれ付く子犬よろしく綱吉に懐いたヴァリアーのメンバーと。新参者になど居場所を奪われてなるものかと燃え上がる獄寺・山本の親友コンビと。同じアルコバレーノ同士何かと張り合おうとするリボーンとマーモンと。綱吉が大好きなちびっ子達と。 マイペースに綱吉への勧誘に余念が無い了平と。

素晴らしく混然とした4つ巴(+α)の図式が日常化し、以前に増して騒がしくなった周囲の様子に、これで平穏な日常が帰ってくる!!と喜んでいた綱吉が本気で絶望していた姿は記憶に新しく。


さらに不本意なことに、これでおさらばできる!!と思っていた次期後継者の座であるが、


「これでオメーは誰に憚ることの無い十代目というわけだ。」


と、憎たらしい笑みで九代目の勅命書を掲げたリボーンと


「お前ならば従ってやってもいい」


と、相変わらずの偉そうな態度ながらも恭順の意を示したザンザスと


「いや~九代目が感激してたぜ~?
 「最初に指名したときの目に狂いは無かったのか。
 しかもあのヴァリアーを手懐けるとは、流石十代目だ」 ってな。」


と、にやにやと笑いながら完成したボンゴレリングを携えて帰宅した家光と。
 

嬉々として九代目からの再指名を知らせた三人によって、瞬く間に獄寺たち本来の綱吉サイドの守護者達に伝えられ、

 

「おめでとうございます!!十代目!!
 俺も十代目の右腕に相応しくなるために精進します!!」

「ツナ~!!おめでとな!!
 俺もせっかくもらった指輪だし、あの時のツナ以上に強くなるぜ!!」

「沢田!!指輪はしかと受け取った!!
 これに恥じぬようよう鍛えなおすぞ!!極限まかせろ!!」


と、あの夜一緒にいた三人は言うに及ばず


「ランボさんがツナを護ってやるもんね!!」

「ふ~ん、面白そうじゃない。まあ預かってあげてもいいよ。
 君の実力とやらにも興味あるしね。ちょっと付き合わない?」

「くふふふ。面白そうじゃないですか。君の近くにいると退屈しなさそうですしね。
 マフィアは気に入りませんがその指輪の役目くらいは果たして差し上げなくもないですよ?」


と、いつの間にか手回し良く説得済みの三人まで加わり、

 

「だから!!俺はマフィアのボスになんかならない!!」


との綱吉の渾身の叫びも

 

『『『『「「「「「「「「「「「「「「「十代目は綱吉以外居ないって」」」」」」」」」」」」」」」」」」」」」

 

と、いらない処で無駄な協調性を見せる面々にあしらわれ

 


「あ~~~~~~~!!平穏な日常を返せーーーーー!!」

 

今日も綱吉の魂の叫びが悲しく並盛の空に木霊している。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

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書きたい物を書ける時に好きに書き散らしてます。文頭には注意書きをつける積りですので、好きじゃない、と思われた方はこのHPを存在ごとお忘れになってください。(批判とかは本当勘弁してください。図太い割には打たれ弱いので素で泣きます)



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