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主人公総受け至上主義サイトです。特にエ/ヴ/ァの・碇・シ・ン・ジ・の女体化verが贔屓されてます。EOE後女体化したシンジが他世界へ渡る設定のクロス作品がメインです。(で、他作品キャラに物凄く愛されてます。)
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『月虹』は『虹のふもとの物語」の捏造創世暦を前提に、アビス本編軸に介入してるのが『月色の御伽噺』(スレナル×碇レン)設定の木の葉メンバーだったら、な思いつきネタの小話です。
其々の設定は微妙に繋がってますが、話自体は独立してます。


『月虹』設定で、アスカとイタチがダアトに潜入した場合。

*アッシュに厳しいです
*キムラスカ上層部に辛らつです。
*シュザンヌ様捏造です。

*アスカとイタチが、アッシュを速やかに排除しようとした場合、です。


以上を踏まえてお読みください。苦情批判は受け付けておりません。
アッシュ・キムラスカ・ヴァンが好きな方は絶対に読まないでください。










 

 


「なあ、アレ、どう思うよ?」
 

「・・・・聞くな。」



ダアト、神託の盾騎士団の訓練施設にて、特大の溜息が二つ。

 


「次!」

「は!」

「踏み込みが浅い!」

「は!」

 



「・・・や、部下に訓練つける師団長ってだけの光景ではあるけどよ。」


「ああ。・・・・誰も、気づいてないの、だろうな。」


「・・・預言に縋る人間ってのは、思考回路が鈍化すんのか?」


「否定はせん。」

 


キムラスカからの留学、という形で神託の盾騎士団に一時的に所属する貴族の子弟というのは珍しくない。オールドラントにおいて預言は神聖不可侵のものとして崇められる対象だ。預言を生み出したユリア、預言を授ける教団も同様に。マルクトの現帝は預言から政治を切り離したとして国自体との交流は疎遠になったそうだが、個々人全てに預言を即捨てろという命が下されたわけでもなし、今でも預言を尊重する者がダアトに留学することはある。況して、預言を国王自ら崇拝しているキムラスカは言わずもがなだ。だから、アスカとイタチがダアトに留学したいと言えば、簡単な申請だけで許可された。とある目的を叶えるために奮闘する身として、障害は少ないに越した事はない。簡単すぎた事には些か拍子抜けしつつ、世界的な傭兵ギルド「リーフ」に所属するメンバーとして、ギルド長から依頼された、ある人物達に関する調査、可能なら接触を取る為の潜入である。先ずは施設の見学に託けて周囲を観察していたのだが

 
 

「・・・・甘ぇ!その位でへばるな屑が!・・・次!」

「は!」

 

 あっさりと、その目的の人物が見つかったのである。だが、安堵よりも落胆と苛立ちが先立った。なぜなら
 


「んで、赤い髪晒してんだよ?!馬っ鹿じゃねぇの?!
 しかも誰も指摘しねぇのか?!」



アスカが、目前の光景に声を潜めつつも苛立たしげに髪を掻き揚げる。隣のイタチと共に、目の前で部下に訓練をつける、真紅の髪の少年を据わった目で見据えて罵倒を吐き出した。

 

 

「赤い髪も碧の目も、キムラスカの王族特有の貴色だって知らねぇのかよダアトの人間は?!」


「・・・キムラスカやマルクトの貴族階級の人間も多数出入りしてるがな。」


「つまりは、この世界の人間は馬鹿ばっかりか!?」

 



アスカ達と同じように留学や巡礼の為にダアトには各国の人間が多数出入りしている。そして目の前の特務師団長は、普段から任務その他でダアト内どころか各国を動き回っているという。

 


「多少なりとも疑惑持った人間がいるなら、噂くらいあったはずだろうよ・・・!誰も気にしてねぇってか?!」

 
 

訓練を見学する客分の礼儀として、にこやかな表情を貼り付けつつも愚痴を吐き出す。痛んだこめかみに手を当てようとして寸前で止める。出来る事なら人気のない場所に行って盛大に罵りたい。
あれ程見事な赤毛などそうは居ない。キムラスカ国内ならば、赤毛を発見した場合、先祖がえりの可能性を含めて身元の調査は必須だ。近年の純潔王族の減少を食い止める為の、血族の発掘の為である。なのに、神託の盾騎士団の特務師団長の噂など欠片も聞いた事がない。血統を調査して、違った場合戸籍にはっきりと王族とは無関係と明記される事になっている。その対象が最下級の身分の者でも、赤毛の人間が居たという話題は直ぐに蔓延する。その位王族筋以外の赤髪は稀有な存在なのだ。
調査があったなら、その対象がダアトの幹部だったなら、噂の一つもあってしかるべきだ。なのに、何一つ話題に上った事がない。つまり、あれ程見事な赤毛を晒した人間を、誰一人見咎めなかったと、そういう事だ。

 



「「ルーク様」誘拐の時みたいに、ヴァンの証言鵜呑みにしたんじゃなぇだろうな・・・!」



唸りながら、それしか回答が存在しないだろう確信に項垂れる。真剣に、現職の最高権力者たちの無能ぶりが痛い。

何処の世界に、自国の王位継承者の誘拐などという国家を揺るがす事態に、他国の軍人に自由な捜索活動を事後承諾で許す国家があるというのだ。・・キムラスカは許したが。
しかも、誘拐された「ルーク様」を発見した神託の盾騎士団主席総長が言ったから、「ルーク様」の誘拐はマルクトの仕業説が公式見解に落ち着いたのだ。・・・本気で信じたなら信じたで、マルクトに宣戦布告しても良いくらいの大事だったというのに、大した争いも無くルークの身を護るという名目で軟禁を命じて事態は収束した。・・・ツッコミどころが多すぎて突っ込めない。とにかくキムラスカには物事を深く考察する能力のない馬鹿しか居ない事が良く分かった。



「・・・だが、これならこれで好都合ではあるな」

 


アスカの無意識のぼやきに深く同意を示しつつ、イタチがぽつりといった。

 


「あ?何がだよ。」

 


眉間に皺を寄せつつ、アスカ聞き返す。

 


「レンが、気にしていただろう」


「ああ、あの餓鬼な。まあ、あっちを連れ戻したら、上層部がどう出るか分かったもんじゃねぇからな。
 ・・・最悪身代わりか。口封じに処刑か。」



アスカの脳裏に、現在キムラスカのファブレ侯爵邸にて、「ルーク・フォン・ファブレ」の名を与えられている子どもの顔が過ぎる。目の前で訓練中の特務師団長を顎で示してイタチに思いつく中で特に有力な可能性を上げてみる。

 

今ファブレにいる嫡子がレプリカである事実は、シュザンヌ公爵夫人とその腹心にしかまだ明かしていない。・・・預言にべったりなキムラスカ上層部への、シュザンヌの不信と怒りが限界値を振り切ったがためだ。
 

シュザンヌも王族の一人だ。もし、本当に息子の死が国の繁栄の為に不可欠ならば、決意する覚悟くらいあったのだ。だが、その預言に詠まれた息子の死を叶えるために採った国王達の手管が余りに卑怯な為に激怒しているのである。


本当に、必要な犠牲だというのなら、何故理由を話さない。
ルークの保護の為、などというお題目を掲げて軟禁を命じ、成人したら自由を許すなどという甘言で希望を持たせる必要が何処にある。正直に言えばよかったのだ。ルークの死が、国の為に必要だから死んでくれ、と。
そしてくれたなら、シュザンヌ自身も息子の死を願った責任を共に取る覚悟をする事も出来たのに。

・・・・何もかもを秘密にして、安易に犠牲を生み出して、良い結果だけを得ようなどと甘えた人間が、己の夫と兄なのだ。前々から預言に縋っては他国の人間である大詠士などに内政に関わらせる事に苦い思いを抱いていたシュザンヌが愛想を尽かすのも当然の成り行きだった。


そして息子が誘拐された先から保護された後、記憶全てを失くした息子を護るためにギルドに依頼し、派遣されたのがレンとナルトであった。依頼の内容は、ルークの再教育及び護衛だ。この先何が起ころうともルークの命を守りぬける人間を、ということでギルド最強と謳われるナルトとレンが派遣された。

 
 

「・・・派遣初日に、レンから報告があったときは何事かと思ったが。」


「レプリカ、ねぇ。・・・・結局は構成が第七音素のみの人間だろ?
 レンの今の体みたいな分身じゃなくて、普通に生きてるんだし。」

 
 

レンの本体は、未だにパッセージリングに接続した外殻大地保護障壁の譜業の動力源の中だ。今、外に存在する身体は、創世暦時代の技術で造り上げたコピーである。クローンとかいったか。対象物の情報を元に完璧に複製する技術で、主に臓器移植などの為に研究されていたらしいが。それで自分のコピーを作って本体から精神だけを移し変えたのだ。そんな離れ業が可能なのはレンだけだろうが。そう考えるとレンは後ろめたく感じているらしい、その「カミサマの器」としての能力に感謝するだけだ。レンが普通の人間なら、今の自由な交友などありえなかったのだから。

 
 

「だが、誰もがそうは考えん。
 ・・預言に縋っていない者でも、都合の良い影武者として利用する位は思いつきかねんだろう。
 今のレプリカ技術で産まれた者は、死んだら遺体も残らんのだしな。
 利用しようと思えば、これほど都合が良い存在もない」


「 あーあー、下層階級は須らく下賎なモノってか?」


「下種は何処にでもいる。そいつらの考える事など大して変わらん」


「レプリカ、なら尚更、ね。
 現にマルクトで研究者達のレプリカへの認識は実験動物所か、ただの研究材料みたいなもんだったしな。」


「キムラスカでは技術自体は盛んではいが・・・ベルケンドの研究者も同様だ。」

 


基本無表情なイタチが眉間に皺を寄せた。余程報告書の内容が不快だったらしい。アスカも同意見の為咎めず話を進める。

 


「・・・で、結局何が好都合なんだ?」

 


脱線しつつあった本題を引っ張る。

 


「アレ、が被験者なのは間違いないだろうが」


「まあ、あんだけ似てりゃ、な。ヴァンがどっからかつれてきたって有名だし。」

 


興味深く訓練を眺める振りで、会話を続ける。アスカもイタチも表向きはキムラスカの貴族子息だが、本職は「リーフ」の構成員として鍛え抜かれた忍びだ。周囲から会話の内容や感情を悟られるようなへまはしない。特務師団長アッシュに接触するタイミングを測るため訓練を見学する演技を続ける。
 

 

「裏も取れてる。ヴァンを処刑するだけならば、王族の誘拐犯としてだけでも十分だ」


「だが、それだけじゃ俺達には足りねぇだろ。
 ああいう手合いはそこそこ躍らせて利用するに限る。」

 
 

イタチの言に肯きつつアスカは冷徹に吐き捨てる。身内以外には殊更厳しいアスカの評価は辛らつだ。

 



「だから、そっちは今は放置する。
 だが、「ルーク様」を抑えられたままには出来ない。本来なら連れ戻すべきだが。」


「・・・で、ファブレにいる方はどうすんだよ。そっちに何かあったら、レンが無茶するぜ?」


「だから、都合がいいんだ。・・・普通なら、レプリカなんぞとは考えん。」


「まあ、有名な技術ではねぇしな」


「レプリカを知らない者が、あれ程「ルーク様」に似ている、しかも年齢も近い人間を発見したなら
 ・・・・・ファブレ公爵の庶子、或いは血縁ではないかと疑うのが普通の反応だろう。」


「あ、・・・・・あぁ!」

 



イタチの言葉に、疑問が氷解して納得の声をあげるアスカ。そこまで言われたら、先ほどの「好都合」発言の理由も分かる。これからイタチがしようとしている事の内容も。

 


「そう、調査は必要だ。」


「けど、他国で軍幹部まで勤めた人間を王族に迎えるわけにはいかねぇな。」


「彼は、「王族とは無関係」が、キムラスカにとっての最善だ。」

 

 

淡々と言うイタチ。にやり、と笑ってアスカも返す。だが一つだけ懸念がある。



「・・・けど、シュザンヌ様はどうすんだ」


「シュザンヌ様は聡明な方だ。
 まさか、この現状を知って尚、アレを堂々とファブレに戻せるとは考えんだろう。」


「・・・・知ってたけどよ。お前、気に入らない奴には容赦ねぇな。」


「アスカもだろう」

 



呆れたようにアスカが嘆息する。そんなに「ルーク」が嫌いだったのだろうか。・・・・何度か会話した程度の付き合いしかしていなかった筈だが。だがイタチに言い返されてアスカも苦笑う。確かに、アスカにとっても「ルーク」は大して気にかける対象ではない。

 
 

「レンが、「ルーク・フォン・ファブレ」を大事にしてるからな。」


「そういう事だ。・・・・訓練が終わったな。」

 



イタチから視線を逸らして呟く。結局はそういう事だ。他人よりも、己の大事な人間の心を優先させたいのが人間だ。任務に抵触しない範囲でなら、そう思う自分の感情を優先させる事に躊躇いはなかった。イタチも同じだ。

 
 

「・・・・それに、「ルーク様」がヴァンの手をとった理由と後の経緯も気にいらねぇし」


「それも、同意だ。」



呟いたアスカにイタチも肯く。「ルーク」が、国の命で受けさせられた超振動の実権が辛く、預言の為に殺されるのが怖かったという点は同情する。自分がその立場なら、何とかその扱いから逃げる方法を考えるかもしれない、だがその後のアッシュの言動が、アスカとイタチを苛立たせるのだ。



「自分が辛くて逃げるだけなら兎も角、レプリカを身代わりにしといて、何被害者面してんだよ。」

 


ヴァンが「ルーク」に囁いた甘言に肯くだけならよかったのだ。だが「ルーク」は、自分が逃げ出したかったその場所に、レプリカを戻した。「ルーク」の立場を、何も知らないレプリカに押し付けたのだ。にも関わらず、特務師団長になったアッシュは、日常的にレプリカへの怨嗟を吐き出して、過去の居場所を懐かしんでいるという。そんな甘えた人間に、王族戻られても見ざわりなだけだ。


だから、一歩踏み出す

 

 

 


「失礼、特務師団長殿。お話させていただいてもよろしいですか。
 ・・・・貴方の、ご家族のことで」


「な、なんのことだ」

 


無害そうな貴族子弟の笑顔で、アスカとイタチは笑った。簡単に動揺を表に出したアッシュに、そっと囁く。

 


「貴方の、その御髪と瞳なのですが、」

 

 





 

 

 

 

「----以上を持ちまして、ダアトに在籍される神託の盾騎士団特務師団長アッシュ殿は、キムラスカ・ランバルディアの血統とは無関係の者であるという報告を終えさせていただきます。在席の方々、ご意見はおありでしょうか?」


「異議なし」
「うむ。」


「大体、王族筋ともあろうものが、留学としての一時滞在なら兎も角、師団長まで勤めていては今更キムラスカに迎えることは出来ませんな。」


「同感だ。それを考えるなら、血筋ではなくてよかったかと」

 

 



「では、これにて、本日の会議を終了いたします。」

 








+++




とまあ、あっさりアッシュはキムラスカでの居場所をなくしました、な小話です。

この話ではアスカとイタチの策謀ですが、キムラスカが預言を崇拝してるなら、貴族階級の人間が日常的にダアトに出入りしててもおかしくないなーと思ってたんですよね。で、貴族階級の人間なら、アッシュをみたらファブレ公爵連想してもおかしくないな、と。したら、普通庶子とかかも、位の疑惑が生まれるのが自然かと。
その場合、王女に降嫁していただいた公爵が、浮気して余所の女性に子ども産ませてたなんて大醜聞ですよ。ファブレ取り潰されても文句言えないかと。結果、クリムゾンは全力で否定するしかなく、実際見に覚えも無く。他に赤毛の王族はほぼ皆無。・・・でアッシュは先祖がえりと判断出来るような人物も見当たらず、で無関係の他人認定、と。

・・・・という思いつきの小話でした。






 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

















 

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